前作v13ではラスト(足型)の形状が見直され、よりロングライドに適した設計となったが、最新作v14ではミッドソールの形状やアッパーがアップデートされたという。一体どんなシューズに仕上げられたのだろうか。
「フレッシュフォーム」シリーズを代表する一足
「1080」の初代モデルがリリースされたのは、2011年。クッション性を高めた長距離用ランニングシューズとして登場し、アメリカ市場を中心に高い評価を得た。2016年に発売された「1080 v6」では、プラットフォームにフレッシュフォームが採用された。ニューバランスのランニングシューズは「フレッシュフォーム」と「フューエルセル」シリーズの2軸で展開されている。前者は最高のクッション性を提供し、毎日のランニングをより快適なものにするコレクション、後者は最高のエナジーリターンを提供するレースデイシューズだ。現在の「1080」は、「フレッシュフォーム」シリーズのフラッグシップモデルとして、多くのランナーから支持されている。
走行安定性の向上にフォーカスしたアップデート
前作「フレッシュフォーム エックス 1080 v13」は、より長く走ることにフォーカス。トウスプリング(爪先の反り上がり)が低く長くなり、ロングジョグやウォーキングへの対応力がアップ。また、ラストが見直され、クセを抑え、タイト過ぎない、甲の部分に少しゆとりのある設計が採用された。今作「フレッシュフォーム エックス 1080 v14」は、そのラストやトウスプリングの形状、ミッドソールの厚さやドロップ(爪先と踵の高低差)も、v13のスペックがそのまま継承されている。では、どこにアップデートが加えられたのだろうか。
「今回のアップデートで注力したポイントは、走行時の安定性になります。1080らしいソフトな接地感、フカフカ感は維持しながら、走行時の重心のブレを抑え、安定性を高めることを狙ってアップデートをしています」と、ニューバランス ランニングフットウエア担当の間宮葵さん。 「ミッドソールの素材は前作同様、フレッシュフォーム エックスを採用しています。ミッドソールの厚さは変わっていないのですが、サイドウォールが、外側・内側ともにv13と比較して約2倍の高さになっています。それによって、安定性が高まると同時に、踵周辺の包み込まれるようなフィット感を実現しています」
重心が中心に集まるようアウトソールのデザインを刷新
アウトソールが改良された点も、今作の大きなアップデートポイントだ。「踵での着地から前足部での蹴り出しまで、重心がシューズの中央を通るようにガイドする機能をアウトソールに持たせています。アウトソール中央部のラバーを独立させたことで、真ん中に重心が乗りやすくなっています」
アウトソールの踵部外側には、耐久性に優れたNデュランスを採用。また、中央部のラバーは外側のラバーとは素材が異なる。ぬめり感があり、より地面を捉えやすい素材にすることで、中央に重心が乗るのをサポートし てくれるのだ。
環境に配慮したリサイクル素材のエンジニアードメッシュ(部位に応じてメッシュの孔の大きさを調整し通気性とサポート性を両立)のアッパーを採用。前作のものよりも通気性と軽量性が向上している。
「エアー感のあるソフトで肉厚なアッパーで、足にやさしくフィットします」