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道具のように選び、重ね、組み替える! 「モドメント」が提案する新感覚の機能服
ギアボックスから必要なツールを取り出すように、服を選び、重ね、組み替える。2025年秋冬に誕生したMODMNT(モドメント)」は、ミリタリーやワーク、アウトドアの機能や構造を現代的に再構築し、服を一つの完成品ではなく、着る人が自由に組み合わせる「道具」として捉えるブランドだ。2026年秋冬の新作を例に見ながら、その思想とものづくりについて、ブランド担当の藤森優希さんに聞いた。
服を道具のように組み合わせる
「MODMNT(モドメント)」というブランド名は、「Module」「Mode」「Equipment」「Element」という4つの英単語を掛け合わせた造語「Modulement」に由来する。「服を一つの完成品としてではなく、一つひとつを『Module=部品』『Element=要素』として捉え、身につける人が自由に組み合わせることで、その人なりの『Mode=スタイル』をつくっていく。さらに、服をファッションとして楽しむだけでなく、日常で機能する『Equipment=道具』として考える。この4つがブランドコンセプトです」
そのコンセプト通り、さまざまなパーツを組み合わせ、自由に服を形づくる。一つひとつのアイテムは単体でも成立するが、重ねたり、つないだりすることで、別の機能や表情が生まれる。
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インスピレーション源は、ミリタリーやワーク、アウトドア、ヴィンテージなど、特定の用途から生まれた服だ。
「それぞれの時代や環境、用途に応じて生まれた機能や構造が、結果としてその服ならではのデザインになっている。その普遍的な魅力を生かしたいと考えています」
ただし、と藤森さんは続ける。
「過去の名作をただ再現するわけではありません。元来の用途やディテールが生まれた背景を読み解き、機能の本質を残しながら、現代では不要な部分を削ぎ落とす。さらに、素材やシルエット、サイズバランスを今の感覚へ置き換えていきます」
単なる復刻ではなく、過去の機能服が持つ合理性を現代へ翻訳することが、モドメントのものづくりなのだ。
「正解」を決めない。組み合わせから生まれる予想外のスタイル
そんなものづくりの姿勢は、2026年秋冬コレクションにも色濃く表れている。シーズンテーマは「Beautifully Unpredictable(美しき予測不能)」。「今シーズンは一つの着方を正解とせず、パーツの着脱やレイヤリングによって、シルエットや印象が変わるアイテムをそろえました。ミリタリー、ワーク、アウトドアなど、異なる背景を持つ要素を組み合わせることで、想定していなかった格好良さが生まれることがあります。そうした予想外の変化を、“揺らぎ”として表現しました」

その考え方をもっとも明快に体現しているのが、新作の「MF JKT(エムエフ ジャケット)」だ。

ミリタリージャケットをベストへ変換
原型は、1965年にアメリカ陸軍で採用されたM-65フィールドジャケットである。フロントに並ぶ4つの大型ポケットや襟に収納できるフードなど、M-65を特徴づけるディテールを踏襲しながら、独自の視点で再構築している。最大の特徴は、袖を取り外せる可変構造だ。フィールドジャケットが、袖を外すことでベストへと姿を変え、レイヤードの幅を広げる。
「視覚的な斬新さだけでなく、実際の着こなしの幅を広げる機能として取り入れました」

素材にも、過去の機能服をそのまま再現しないブランドの考え方が表れている。採用したのは、コットンとポリエステルを組み合わせた日本製の高密度素材「VENTOENE®(ベントーネ)」。天然素材らしい風合いを持ちながら、透湿性や耐久撥水性、UVカットといった機能を備えている。
M-65の機能的な構造を受け継ぎつつ、素材は現在の生活や気候に合わせて置き換える。過去の機能服の合理性を、今の「道具服」へと翻訳した一着だ。

ヘリクルー用パンツをジーンズ感覚で穿く
過去の機能服を現代の着方へ置き換えるという発想は、パンツにも共通している。「MAG PANTS(マグパンツ)」のベースとなったのは、アメリカ軍のヘリコプタークルーが着用していたパンツだ。
目を引くのは膝上の大型ジップポケット。狭い機内で座ったままでも使いやすいという合理的な構造を生かしながら、現代のファッションとして楽しめるパンツへ再構築した。
「全体は太めのシルエットにし、裾のドローコードを絞ることで、シルエットに変化をつけられるようにしています」

素材には、10オンスのムラ糸を使ったコットン100%デニムを採用した。経糸をピュアインディゴでロープ染色し、緯糸をグレーに染めることで、アメリカンヴィンテージを思わせる奥行きのある表情に仕上げた。ジーンズのように、穿き込むほどに色や風合いが変化していく。

同じ組み合わせでも、バランスを自在に変えられる
筆者も「MF JKT」と「MAG PANTS」を着用した。ゆったりとしたジャケットとワイドなパンツを組み合わせると、上下にボリュームを持たせたシルエットになる。そこからジャケットの袖を外せば、上半身のボリュームが変化する。さらにパンツの裾をドローコードで絞ると、足元の輪郭も変わる。同じ2着でも、パーツの着脱やシルエットの調整によって、全体のバランスを変えられることがわかった。

「機能一辺倒ではなく、着脱したり、重ねたりすることで、一つの服からさまざまな表情が生まれる楽しさを提案したい。ブランドが完成形を決めるのではなく、着る人自身に、自分なりのスタイルをつくってほしいと思っています」
道具は、使い手によって生かされ方が変わる。モドメントの服もまた、着る人の感性とアイディアが加わって初めて完成するのだ。
PROFILE
藤森 優希(ふじもり ゆうき)
株式会社ナンガ
広報担当
2023年に株式会社ナンガへ入社。広報として、プレスリリース、ウェブコンテンツ、クリエイティブ制作、イベント運営、SNS運用など、ブランドの情報発信を幅広く担当。
Text by Ryota Osujo







