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世界が愛するダッフルコート「GLOVERALL(グローバーオール)」が築いた伝統と品質

2025.11.27
冬のクラシカルなアウターのひとつに、「ダッフルコート」がある。日本でも定番的なアイテムとして、長年多くの人に愛され続けている。
ダッフルコートは、ベルギー第2の都市アントワープ近郊にある港町“ダッフル”に由来している。この地域で織られていた、分厚く手触りの粗い生地を使って作られた漁師向けの防寒着がルーツとされており、その後、英国海軍の艦上用コートとして正式に採用された歴史を持つ。
今回は、ダッフルコートの代名詞ともいえる世界的ブランド「GLOVERALL(グローバーオール)」について、詳しく紹介していく。
長きにわたりGLOVERALLの日本展開を担ってきた、アソシエイテッド・インターナショナル株式会社 取締役の筑波 勇人さんに、ブランドの歴史や定番アイテムについて話を聞いた。
「GLOVERALL社は1951年、ロンドンから北に進んだアールズ・バートンという街に工場を構え、創業しました。英国の靴の産地として有名なノーザンプトンにほど近く、ものづくりが盛んなエリアになります。
創業者はハロルド・モリス氏とフリーダ・モリス氏の兄弟です。第2次世界大戦後、英国軍の放出品のコートを回収し販売したところ、それがヒットしたことをきっかけに、オリジナルのダッフルコートづくりに着手したのがGLOVERALLのはじまりになります。大量生産はせず、数十人の職人が英国製にこだわったダッフルコートを現在も作り続けています」
アールズ・バートンにあるGLOVERALL社のイラスト
GLOVERALL社に残る資料と工場の写真、年代は不明

GLOVERALLは日本での歴史も長い

創業から9年後の1960年、GLOVERALL社のダッフルコートは日本でも取り扱いがはじまった。アソシエイテッド・インターナショナル株式会社の創業者と、GLOVERALL社の創業者であるモリス兄弟との間に面識があったことがきっかけで、比較的早い段階から日本での展開が実現したという。
「1990年代に日本で起こったダッフルコートブームを覚えているという人も多いのではないかと思いますが、日本でGLOVERALLの取り扱いがはじまった1960年代にも、すでにダッフルコートはブームになっていたんです。
その頃人気があったのは『CLASSIC(クラシック)』というモデルで、裏側がチェック柄のダブルフェイスメルトン生地を使ったものでした。トグルが水牛の角で、ループが革紐という仕様も、この『CLASSIC』というモデルの特徴となっています」
CLASSIC 114,400円(税込)
バックチェックのダブルフェイスメルトン素材

英国海軍をルーツに持つGLOVERALLのスタンダードモデル「MONTY(モンティ)」

ここで、GLOVERALLを代表する定番アイテム「MONTY(モンティ)」を紹介してもらった。このモデルは、先ほど話にも出た1990年代のダッフルコートブームを牽引した存在として知られている。
「1990年代のダッフルコートブームは、ミリタリー系のものなどが少しずつ流行りだし、英国海軍にルーツを持つものに近い『MONTY』に人気が出て、それがGLOVERALLの定番という印象がついたんだと思います。
ブームが起こった当時、トグルは4つ付いていたのですが、ルーツとなる英国海軍のダッフルコートのトグルは3つなので、1990年代後半には『MONTY』のトグルも3つに変更になりました。
そうすると裾が長くなり、裾のひるがえりを防ぐために、身頃の裏側にヘリンボーンの太いテープが付き、脚を通せるような仕様になっています。実際、普段着では使わない仕様だと思うのですが、過去の資料や写真から、こうしたディテールが復活したのではないかと思います。
この『MONTY』は木製のトグルに麻紐のループというパーツ構成なのですが、トグルの数だけでなく、1990年代の木製トグルはラッカー仕上げで光沢があったのに対して、現在はナチュラルな風合いに変化しています。定番とはいえ、時代に合わせて仕様も細かく進化しているんです。
そのほか、フード部分のボタンはフィット感を変えられるミリタリー由来の仕様で、素材には『ボイルドウール』という、縮絨されて目の詰まったウール生地が採用されています。
カラー展開はネイビーとキャメルが定番で、そのほかシーズナルカラーもリリースされますが、長年にわたってこの2色が人気の中心となっています」
MONTY 101,200円(税込)
定番色のネイビー
定番色のキャメル
裏側に付いた脚を通す用のヘリンボーンテープ

GLOVERALLの日本独自モデル「KINGSTON(キングストン)」

日本でも長い歴史を持つGLOVERALLには、日本独自のモデル「KINGSTON(キングストン)」がある。
「日本限定で展開されている『KINGSTON』は、ヘリンボーンウール生地を採用した、ドレススタイルにも合わせられる大人っぽい雰囲気のアイテムになります。
先ほどご紹介した『CLASSIC』と同様に、水牛の角のトグルと革紐のループを採用し、ジャケットの上から羽織る際に袖通しを良くするため、袖に裏地が付いた仕様になっています。
英国の老舗生地メーカー『Mallalieus(マラリウス)』社によるヘリンボーンウール生地を使用した、GLOVERALLの中でも最上位モデルに位置づけられるアイテムです」
KINGSTON 170,500円(税込)
Mallalieus社のネームが付けられている
こうして、GLOVERALLの中でも押さえておきたい3タイプのダッフルコートを紹介してもらった。
さまざまな世界中のブランドとのコラボレーションや別注に柔軟に対応しながらも、クラシックでスタンダードなものづくりを続けている。移り変わる時代の中で、変わらぬ英国製の高いクオリティを貫く姿勢からは、ブランドの揺るぎない信念が伝わってくる。
この冬、改めてダッフルコートを手に取りたくなる人も多いだろう。

PROFILE

筑波 勇人(つくば はやと)

アソシエイテッド・インターナショナル株式会社

取締役

営業として大手セレクトショップ、全国の専門店、百貨店を担当。Ron Herman、BLUE BLUE、Canterbury、SOPH、Aquascutum等とのコラボレーションも行い、現在は自社取扱商品の英国製品をメインに、ヨーロッパを生産背景に持つブランドの発掘、企画、営業等の全般に従事している。

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