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日本人の足形に合う靴を!英国・ノーザンプトンの職人が作る「Lloyd Footwear(ロイド フットウエア)」
英国靴の伝統的なテイストを、日本人のライフスタイルに合わせて提案するシューズブランド「Lloyd Footwear(ロイド フットウエア)」。
英国靴の産地として高い評価を誇るノーザンプトンの工場で生産される背景を持ちながら、日本人の足型にフィットする木型設計を主軸としたシューズを展開している。
今回は、Lloyd Footwear銀座店 店長の浦上 和博さんに、ブランドのルーツや木型の特徴、おすすめのモデルについて話を伺った。
ブランドのルーツは英国のアンティークショップ
まずはブランドのルーツについて、浦上さんにお話しいただこう。「1970~1980年代前半のことになりますが、創業者の豊田 茂雄(とよだ しげお)氏は、英国のアンティークショップを日本で開業しました。その流れの中で、次第に洋服や靴も扱うようになります。
当初は、『Tricker's(トリッカーズ)』や『GRENSON(グレンソン)』といった英国靴の輸入からスタートしました。そうした靴が、英国・ノーザンプトンで作られていることを知り、やがて現地の職人に依頼してオリジナルシューズの生産を始めます。これがLloyd Footwearの始まりで、1983年のことでした。
その後、東京・青山や銀座などに直営店をオープンし、現在では老舗ブランドとして知られる存在となっています」

足に合わなければ売らない──フィッティングへのこだわり
ノーザンプトンの職人に日本人向けの木型を依頼し、英国製の靴を作り続けているブランドは、ほかに例を見ない存在ではないだろうか。それこそが、Lloyd Footwearならではの大きな特徴であり、個性だといえる。では、日本人の足に合う木型とは、具体的にどのようなものなのだろう。
「ノーザンプトンで使用されている靴の木型は、多くが『Spring Line(スプリング ライン)』というラスト(木型)メーカーによって製作されています。
職人と試行錯誤を重ねながら作り続け、長い年月が経っていますが、英国の木型、そして靴そのものは、もともと日本人の足と相性が良いと感じています。
とはいえ、日本人の足にも幅の細い方、広い方、甲の低い方、高い方など、さまざまな個性があります。靴選びは決して簡単なものではありませんので、『Lloyd Footwear』のラインナップの中から実際にいくつかフィッティングしていただき、トータルバランスで相性の良い一足を見つけていただくのが理想だと思っています。
やはりお客様におすすめできる靴でもっとも大切なのは、長く履いていただくために『足形に合っていること』です。そのため、『お客様の足に合わない靴は販売しない』場合もあります。
自分の足に合っていない靴を選んでしまうと、長く履くうちに足への負担が大きくなり、どんなに気に入っていても履かなくなってしまうことはよくあります。そのため、きちんとご説明したうえで、あえて販売しない判断をすることもあります。既製品という制約の中で、フィッティングにこだわった接客を貫いています」

「ルーズフットで履いた場合、痛くて、スタイリングが大きく見えるみたいな靴も多いです。ゆるいと履きジワが当たってしまいます。血管などをうまく避けながら、人間の骨格や構造に合わせた木型でなければ、やはり良い靴とは言えません。
ブランド立ち上げ当初は、英国靴の木型をベースに改良を重ねながら作っていました。足の形に合わせて重心をどこに取るか、羽根のラインの角度、親指側から小指にかけての傾斜、ガース(甲周り)など、そういった細かな部分についても、お店で多くのお客様のフィッティングを経験しながら知見を蓄積してきました。
そうして得た経験をもとに、少しずつブラッシュアップを重ね、現在の木型に至っているという感覚ですね」
Lloyd Footwearを支える4つのシリーズ
Lloyd Footwearは、「MASTER LLOYD(マスター ロイド)」、「J Series(ジェイ シリーズ)」、「M Series(エム シリーズ)」、「V Series(ヴイ シリーズ)」の4つのシリーズで構成されている。ここからは、それぞれのシリーズが持つ特徴や違いについて話を聞いていく。
「基本的に製法はどのシリーズも変わらず、すべてグッドイヤーウェルト製法[1]で作っています。MASTER LLOYDは最上位のシリーズで、素材もグレードの高いものを使用しています。一方、シリーズの中でも比較的手に取りやすいV Seriesは汎用性が高く、ラバーソールを採用し、モデルの種類も豊富なシリーズになっています。
良い靴を作ろうと思うと、良い素材と良い職人さんが必要になります。一方で、英国靴というのは特別なものというより、日常使いとして履かれてきた文化もあり、そのバランスの取り方によってシリーズが分かれている、という感覚ですね。
たとえばステッチひとつを取っても、細かく繊細に糸を入れようとすると、クオリティの高い革のほうが糸がきれいに沈み込み、しっかりと縫合されます。ただ、アッパーだけに良い革を用いても、それでは不十分なんです。
アッパーの革を生かすためには、それに見合ったライニングやフィラー材(中物)を使わないと、シワの入り方が粗くなってしまいます。そういった点を考慮しながら、カテゴリー分けを行い、バランスの取れたラインナップを大切にしています。
真面目な靴作りというのは、見えない部分にもこだわりを持って作ることだと思います。これはMASTER LLOYDに限った話ではなく、V Seriesに至っても十分なクオリティを備えています」

最上級にしてスタンダード──「Whitehall(ホワイトホール)」
Lloyd Footwearというブランドについて理解が深まったところで、ここからは実際のアイテムにも目を向けていきたい。浦上さんに、おすすめのモデルをいくつか紹介していただいた。
「MASTER LLOYDのオックスフォードの中でも、代表格といえるストレートチップがもっともスタンダードでポピュラーなモデルだと思います。商品名は『Whitehall(ホワイトホール)』です。
ストレートチップは英国発祥のモデルで、内羽根式のこのスタイルは『バルモラルスタイル』と呼ばれています。アルバート公がバルモラル城を訪れるために誂えた靴が由来だといわれています。
英国では、基本的にオックスフォードと呼ばれていますね。使用している革は、最上級のドイツ製カーフレザーです。
良い靴というのは、履いたときに靴が大きく見えません。縫製を細かくすることで、全体をコンパクトかつミニマルにまとめることができ、履き姿も非常にきれいに見えます」


V Seriesで選ぶ、サドルローファーとUチップ
V Seriesは先ほども触れたように、オックスフォードシューズからブーツまで幅広いラインナップを揃えている点が特徴だ。その中から、今回はおすすめの2足を紹介してもらった。「人気の一足として挙げられるのが、『4908/EW10』というモデルのサドルローファーです。馬の鞍(くら)のようなデザインが取り入れられており、サドルシューズを思わせるローファーとして、大人っぽい雰囲気に仕上がっています。
スーツを着たときなども、こうしたローファーであればスタイリッシュに合わせられるのではないかと思います」


「もう一足、特に春先に人気なのがUチップです。商品名は『2824/ER01』といいます。エプロンと呼ばれる、Uチップの甲部分を縫い合わせたデザインが特徴的なモデルです。
ルーツをたどると、登山靴などに用いられていたデザインとされており、もともとは英国発祥のものではありません。おそらくヨーロッパ、フランス、ドイツなどコンチネンタルスタイルで、英国靴はオーダーメイドから発展してきた背景があるため、そうした顧客の要望を英国的な解釈で取り入れ、現在のデザインへと仕上がっていったのではないかと思います」


Lloyd Footwearの直営店は、東京・銀座と大阪の2店舗で展開されている。アンティークショップをルーツに持つブランドらしく、いずれの店舗でも店内の什器にはアンティークが用いられている。店内に並ぶ靴は、すべて丁寧に磨き上げられた状態で陳列されている点も印象的だ。
1足を仕上げるのに丸1日をかけて磨いているそうで、このスタイルは、創業者が英国・ロンドンの靴店を訪れた際、店内のすべての靴が美しく磨かれていた光景に感銘を受けたことがきっかけだという。それ以来、長年にわたりこの姿勢を大切にしながら店作りを続けてきた。
作り手も売り手も、深い知識と経験を備えているLloyd Footwear。ぜひ店頭でフィッティングを行い、長年付き合える一足と出会ってほしい。

東京都中央区銀座3-3-8西銀三ビルIF
TEL:03-3561-8047
[1]グッドイヤーウェルト製法:底付けの製法のひとつで、リブというパーツに、アッパー、中底、ウェルトを一緒に縫い付け、本底と縫合する製法です。中底部分にクッション性を出すために入れたコルクが、履き込むにつれ自分の足裏の形にフィットし、履き心地のよさが生まれる。この製法は、アッパーと本底を直接つなげないため、アウトソールの交換が複数回可能。
PROFILE

浦上 和博(うらがみ かずひろ)
Lloyd Footwear銀座店 店長
勤続38年。もともとはLloyd Footwearの客としてお店に通うようになり、その後入社。現在は銀座店の店長を務める。











