

「ミタスニーカーズ」のディレクターである国井栄之さんが、毎週、独自の視点で気になるスニーカーをピックアップして率直な主観で語る動画「国井栄之のKICKS OF THE WEEK」との連動企画が今週からスタートする。
記念すべき第1回を飾るのは、日本を代表するスニーカーショップである「ミタスニーカーズ」とイギリスの実力派スニーカーリテイラー「オフスプリング」がタッグを組んだ「adidas(アディダス)」の「ZX8000」。そのコラボの詳細を聞いてきた。
デザインコンペでの熱い激闘がコラボに繋がる
1990年代に「アディダス」のハイテクなトレイルランニングシューズとして登場した「ZX8000」。今回は日英の実力派スニーカーリテイラーの協業とあってこの名作が選ばれたわけだが、そのコラボの経緯を国井さんに聞くとこう答えてくれた。「2023年2月に、世界を代表する16のスニーカーリテイラーによるフットウエアのデザインを競う業界初のトーナメント、『adidas CONSORTIUM CUP(アディダス コンソーシアムカップ)』が開催されました。
僕ら『ミタスニーカーズ』が初戦で対戦することになったのが、イギリスの実力派ショップ『オフスプリング』だったのですが、試合は残念ながら1票差で我々が負けることになリました。試合終了直後、いろいろな人から連絡をいただくなかで、『オフスプリング』のシニアディレクターやバイヤーを務めるアマン・タクからDM(ダイレクトメール)が届いたんです。

そのDMではアマンからかなりリスペクトのある言葉をいただいて、そこから彼らとの親交が始まり、パリのファッションウィークでは現地で会ってお茶をしたり、彼らが東京に来ればハングアウトしたりして親交を深めていきました。
これも何かの縁だから何か一緒にできたらいいね、という話になり、それを聞いた『アディダス』コンソーシアムチームが声をかけてくれて、今回のコラボが実現することになったのです」
「コンソーシアムカップ」での熱い戦いがコラボの話に繋がるとは、縁を感じずにはいられない。
日本とは異なる欧州での「ZX8000」の立ち位置
本作のコラボモデルになぜ「ZX8000」が選ばれることになったのか。そこに関しても国井さんはこう続ける。「日本でいうと『アディダス』における名作のイメージは『スーパースター』や『スタンスミス』、『カントリー』のイメージが強いと思います。それはヒップホップカルチャーやアメカジの影響、映画からのインスパイアなど、ドイツのブランドにもかかわらずアメリカのフィルターを通したイメージが作り上げられていました。

2012年に『アディダス』チームとドイツのベルリンに行く機会があって、市内のスニーカーショップを何軒かまわらせてもらったときに、『ZX』シリーズや『エキップメント』のオリジナルリリース当時を知る世代にとって、思い入れの強い特別なモデルだということを元『SOLEBOX』オーナーのHikmet氏に教えていただいたんです。

実はその話を聞かせてくれた理由のひとつとして、『エキップメント』のカラーを採り入れた『ZX8000』のミタスニーカーズの別注カラーのサンプルをその出張に履いて行ってたんですよね。スニーカーショップの人達はもちろん、街行く人々に“それ何?”と聞かれて、自分たちも『ZX』シリーズへの認識がどんどん深まった旅でもあったんです。
ヨーロッパには『ZX8000』のコレクターもたくさんいるので、『オフスプリング』チームと何かやるのであれば『ZX8000』しかないと思って、このモデルでのコラボがスタートしました」
ヨーロッパでの「ZX8000」の立ち位置を理解した国井さんの思いに、「オフスプリング」チームのアマンもさぞかし感銘を受けたことだろう。
カラーや細部に至るまで両者のアイディアがあふれる
そんなバックストーリーから生まれた本作の特徴について国井さんに聞くとこう答えてくれた。「まずは両者が拠点としている街や文化をインスピレーション源にしました。ロンドンの曇り空、そして東京のコンクリートから着想を得たカラーパレットを採用して外観をメイクアップしています。
またヒール部分にはシェイクハンドのグラフィックが描かれているのですが、これは『コンソーシアムカップ』のときに、各チームに票が入ると赤と青のグラフが伸びていく仕様だったことから、それを形として残したものになります。

さらに『ZX8000』にも使われている当時の『トルションシステム』の広告で素足にそのテクノロジーを搭載したような映像があったので、そこからインスパイアされたグラフィックをインソールに入れています」

数々のアイディアを盛り込んだコラボモデルだが、実はまだ新たなカラー展開の構想もあるようだ。そこに関しても国井さんはこう続ける。
「実は通常カラーとともに、フレンド&ファミリーカラーとして別カラーも登場するかもしれないので、そこは詳細をお待ちください!」

熱き激闘から生まれた今回のコラボ。お互いがリスペクトを持って戦ったからこそ生まれたスペシャルエディションとなる。90年代がリバイバルされるなか、当時の名作である『ZX8000』の人気が再燃することは間違いない。
PROFILE

国井 栄之(くにい しげゆき)
mita sneakers ディレクター
東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルを手掛け、その手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers
東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店TEL:03-3832-8346 営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30
Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)
Original Movie




















