ステージに立つアーティストを彩る衣装を、
AMNI(アムニ)は“着るもの”ではなく“表現そのもの”として立ち上げる。デザイナー・Fukaさんが率いる彼らのクリエイションは、ファッションとアートの狭間で、アーティストの内なる衝動を形と質感で描き出す。それはまるで一瞬の感情を彫刻するかのようだ。
9月に開催された、ano 日本武道館公演『呪いをかけて、まぼろしをといて。』の衣装に象徴されるように、繊細さと力強さ、現実と幻想が共存する造形は、ステージに新たなリアリティを与える。
AMNIの誕生、創作過程、そして「衣装表現」の可能性について話を伺った。
PROFILE|プロフィール

Fuka Otsuka
取締役CBO / AMNI Designer
1997年大阪府生まれ。幼少期から絵や立体造形に触れ、13歳から制作活動を本格始動。大阪市立工芸高等学校でビジュアルデザインを学んだ後、大阪文化服装学院へ入学。2019年に映像ディレクターUma Otsukaと共にファションブランドAMNIを設立。同年春夏よりコレクションの制作をスタート。現在はコレクション制作やグラフィックデザイン、アーティスト衣装制作を行う。
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Fukaさんが初めて“ものづくり”に心を動かされたのは、どんな瞬間だったのだろうか。
「幼い頃からずっと“作ること”が身近にありました。両親がともにフラワーデザイナーで、家の中にはいつもお花の材料や資材があふれていて。いわゆる“綺麗なお花屋さん”というよりは、雑多で創作のにおいがする空間でした。
そんな環境で自然と手を動かし、中高生の頃には自分の作った小物を雑貨屋さんに置いてもらって販売するようになっていました」
ものづくりが日常にあったFukaさんは、自然な流れでデザイン系の高校へ進学。ビジュアルデザインを学んだ後、ファッションの道へ進んだ。