国内外から修復の依頼が絶えない同店は、数少ないデニム専門リペア店として、ヴィンテージマニアの間で静かな熱狂を巻き起こしている。繊細な縫製で“どこを直したのか分からない”とまで言われる修復技術には、まさに芸術品のような美しさがある。なかでも炭鉱で発掘されたバラバラのデニムが見事に蘇る様子には、思わず息を呑んで釘付けになるほどだ。
今回は、日本でその技術を支える加藤さんに、リペアの原点と美学を伺った。
PROFILE|プロフィール

加藤 香苗(かとう かなえ)
1986年新潟市江南区生まれ
人気古着店で販売やリペアを担当し、リペアショップのオープンと同時に店長を務める。2024年に独立して「Blue Champion」をオープン
ヴィンテージショップの丈詰めから始まった、加藤さんのリペア人生
Blue Championの加藤さんは、もともと20年近くヴィンテージショップに勤務し、販売員からキャリアをスタートさせた。その後、お客さんのパンツの丈詰めを任されたことが、リペア人生の始まりだったという。
「服飾学校も出ていませんし、最初はまさか自分がリペアを担当するとは思っていませんでした。でも、やってみたらすごく楽しくて。独学で、ただひたすら毎日リペアしていましたね」