独創的なブーツで踏み出した第一歩、そして1足のブーツで名声を手にする
創業者レオン・レオンウッド・ビーンはアウトドアマンで、当時、彼の最大の悩みは重く、水にも弱く、履き心地の悪いブーツだった。水をたっぷり吸ったブーツを見て、彼の頭に1つのアイデアが浮かぶ。それはゴムのボトムに革のアッパーを縫い付けるという大胆な発想だった。それが「MAINE HUNTING SHOE(メイン・ハンティング・シュー)」だ。レオン・レオンウッド・ビーンはこのMAINE HUNTING SHOEと共に1912年、L.L.Beanを創業することとなる。
MAINE HUNTING SHOEはその後、数々のバリエーションができ、それらは「Bean Boots」と呼ばれ、100年以上のときを経た今も愛されるアイテムとなってゆく。
Bean Bootsは創業以来、L.L.Beanの象徴
創業のきっかけとなったBean Bootsについて深掘りしていこう。アイテムの長い歴史の中にはさまざまなストーリーがあった。レオン・レオンウッド・ビーンが発明したBean Bootsは、創業以来、L.L.Beanの象徴的な存在となっていく。
1921年、アメリカの冒険家アダム・ドナルド・マクミラン氏率いる探検隊は、Bean Bootsを履いて北極探検を行った。その北極探検において、隊員たちはBean Bootsがとても実用的でたいへん気に入った、というエピソードが残っている。
また1928年、世界的に有名な小説家、アーネスト・ヘミングウェイ氏がハンティングパートナーに宛てた手紙の中で、「荒れた天候に備えて、フランネルシャツ、厚手の靴下とL.L.Beanのゴム底の靴がいい」とBean Bootsをハンティングパートナーに推薦したということがあったそうだ。
Bean Bootsは、100年前のエピソードも色濃く残るほどの名品だということがわかる。
沼地でハンティングを快適に楽しむために生まれたこのブーツは、歩きやすさだけではなく、雨や雪の日に対する強さも兼ね備えている。プレミアムフルグレインレザーを使用し、熟練のクラフトマンがアメリカのメイン州の自社工場で手づくりにて仕上げている。生産工程は100年前と何ひとつ変わっていない。
L.L.BeanのBoat and Tote Bagのルーツは氷を運ぶためのものだった
アウトドアブランドのトートバッグはL.L.Beanがルーツ的な存在だが、その始まりは1940年代にさかのぼる。L.L.Beanは1942年にアメリカ軍用のブーツ、寒冷地対応のアパレルやマップケースなどのデザインを始める。その2年後の1944年、氷を運ぶためのバッグとしてBoat and Tote Bagの前身「ビーンズ・アイス・キャリア」の販売をスタートする。
素材は、厚手のオートミールカラーのキャンバス地で、溶けた氷が染み出さないよう底部分は2布を重ねた造りになっていた。そして1965年に現在の商品、Boat and Tote Bagとして再登場することとなる。
誰もが愛用するL.L.BeanのメイドインUSA、Boat and Tote Bag
そして、現在まで続くL.L.BeanのBoat and Tote Bagは、メイドインUSAを存分に感じ取れるプロダクトだ。クラシカルで洗練されたデザインは、すべてのカジュアルトートバッグの基本となる存在だ。そんなBoat and Tote Bagがどのように作られているかを見ていこう。