自動車や一般機械など、世界有数の先進工業国であるドイツ。「質実剛健」と評価が高いドイツが誇るプロダクトデザインのノウハウをファッションに投影させる、レザーグッズブランド「Lutz Morris(ルッツモリス)」が今、業界で注目を浴びている。 創設者兼デザイナー、ティナ・ルッツ(Tina Lutz)はドイツで生まれ育ち、パリでファッションを学び、「Issey Miyake」のもと東京でキャリアを積んだ。その後、ニューヨークで「CALVIN KLEIN」や「BARNEYS NEW YORK」でデザインに携わり、24年間をアメリカで過ごした後に現在はミラノに在住している。
彼女は自身のルーツへの回帰を求めてドイツに帰郷。環境に責任を持った倫理的な方法で、独自のノウハウを継承する小さな家族経営の工房で手作りされた、純粋でミニマルなデザインのバッグブランド「Lutz Morris」を2017年に立ち上げた。
主にドイツ産の素材を選択することを誇りに、使用するレザーの90%はドイツ国内のなめし工場から調達。機能性と人間工学を考慮したデザインアプローチは、「ファッションデザイナーではなくプロダクトデザイン」だと彼女は語る。