言葉とイメージ:ファッションをめぐるデータ
今回のFashion Tech News特集企画は、ファッションをめぐる言葉とデータについて考えていきます。ファッション誌におけるテクストは、『モードの体系』を著したロラン・バルトによって「書かれた衣服」と表現され、ファッションでは視覚的なイメージとともに言葉も重要な要素です。しかし今日、Instagramなどの画像を主とするSNSの台頭によって、雑誌が主流だった時代に比べてファッションをめぐる言葉とイメージの在り方も変化しているように思われます。さらには、昨今はデータサイエンスがファッションと掛け合わされることによって、個々人の嗜好の把握、流行の分析、需要の予測が試みられています。そこでは言葉もまた、ファッションを分析するための重要なデータとなります。今こそ改めて、ファッションをめぐる「言葉」の特性/「データ」の特徴とはどのようなものなのか、考えることが必要なのではないでしょうか?本特集ではファッションをめぐる「言葉」の性質、「データ」の性質、またそれらがファッションの解釈に与えてる/与え得る影響について、今年2月に『言葉と衣服』を刊行されたファッション研究者の 蘆田裕史氏と共に考えていきます。