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養蚕と製糸

養蚕と製糸

今回のFashion Tech News特集企画では、養蚕と製糸を中心に、蚕糸業を取り巻く変化について考えていきます。かつて、日本が開港してから第二次世界大戦が起きる前の昭和初期に至るまで、日本の生糸、そしてその原料となるカイコの繭を生み出す養蚕は、日本の近代化を支える主要産業でした。日本の生糸は、世界一の生産量と輸出量を誇った時期もあります。しかし、近代化の象徴となった富岡製糸場が1872(明治5)年に創業を開始してから約150年。最盛期には221万戸も存在した養蚕農家の数は現在わずかに163戸、75万俵(1俵=60kg)以上の生産量があった生糸も168俵にまで落ち込んでいます。ナイロンをはじめとする化学繊維の登場や、安価な海外産の生糸との価格競争、日本国内における和装需要の低迷など、さまざまな要因が絡み合うなかで、国産生糸のシェアは1%にも満たない状況です。そこで、本特集では養蚕と製糸に関する歴史的な変化について、データを踏まえて振り返りながら、これからの養蚕と生糸にまつわる課題と可能性について、現場の声と共に考えていきます。
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