アパレルブランド「
ha | za | ma」が紡ぐファッションは、着る人の心に物語を宿し、見る人の感情を揺さぶる。ゴジラの靴で世間を驚かせ、最近ではAdoプロデュースのアイドル「ファントムシータ」とのコラボレーションを発表するなど、その唯一無二の世界観が今、多くのファンを魅了してやまない。
ブランドの中核を担うデザイナー・松井諒祐は、何を思い、クリエイションと向き合っているのか。その心の内に迫った。
「働きたくない」から始まった、異端の道
SNSを中心に話題が絶えないha | za | maは、2014年にスタートした。4年制の大学を経て、文化服装学院を卒業後、ブランドを立ち上げて今日に至るまで、そのスピードたるや目を見張るものがある。松井さんがファッションに興味を持ち始めたのはいつ頃なのだろうか。
「就活の時期になると、『働きたくない』『まだ就職したくない』という気持ちが強くて、大学生活というモラトリアム期間が終わるのを少しでも先延ばしにしたいと考えていました。たとえば、金髪を黒髪に戻さなければいけないとか、そういったルールに縛られるのもすごく嫌で。
もともとファッションが好きだったこともあり、『専門学校に進んで夢を追う』という理由を親に伝えて、就活を回避する道を選びました。もちろん親には反対されましたが、『自分のお金でやる』と言って、文化服装学院に進学しました。