建築、旅、音楽、そして姉妹の対話——。スペイン・マドリードで生まれた「
Zubi(ズビ)」は、“日常を豊かにする服”を軸に、静かで芯のある世界観を築いてきた。
大量消費でも、派手なトレンドでもない。手に取るたびに自分らしさを思い出させてくれるような、誠実なアイテムたち。その背景には、異なる領域でキャリアを積んだ姉妹の美意識と、感性を共有するコミュニティとの対話がある。
ただ売るのではない、共鳴から生まれるものづくりの哲学を、「Zubi」の共同設立者、姉エレナ・スビサレッタに話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
エレナ・スビサレッタ(Elena Zubizarreta)
姉妹の原点、小さなバッグから始まった物語
マドリードを拠点とする「Zubi」は、エレナと妹のメルセデス・スビサレッタ姉妹による共作から始まった。姉のエレナはビジネスを学び、外資系企業でマーケティングや営業職を経験。一方、妹のメルセデスは建築を専攻し、自身のインテリアスタジオを主宰し ていた時期もある。「お互いまったく異なる領域で働いていましたが、どこかで『いつか一緒に何かを作ろう』というのは感じていたんです」とエレナは語る。
ブランド名の「Zubi」は、彼女たちの姓“Zubizarreta”に由来する。肩肘を張らず、けれど確かな美意識を感じさせるその名には、家族と自分たちのルーツを忘れないという静かな意志が込められている。