今回は、立ち上げ時からブランドに携わる竹本寛さんとともに、20年の歴史を振り返りながら、ものづくりに込める想いや口金リュックが人気となった背景などを探る。
普遍的な価値を追求し、「年輪」を重ねるアネロ
アネロが誕生したのは2005年のことだ。「永く存続し、成長し続けるブランドになってほしい」という想いを込めて、イタリア語で「年輪」を意味する「アネロ」と名付けられた。「アネロを立ち上げた当初から、年齢や性別、トレンドに左右されないバッグをコンセプトに掲げていました。商品開発では、“ちょっとしたポイント”や“何気ないひと工夫”を盛り込むことを大切にしています」
近年はジェンダーレスのアイテムが世の中に増えつつあるものの、当時は女性用・男性用と区別して販売されるバッグが多かったため、アネロのコンセプトは珍しいものだった。
「また、当時は機能性の高いバッグは高価であるケースが多く、気軽に手に取れるものはほとんどありませんでした。そのためアネロでは、お客様の利用シーンに合わせた機能性を持ちつつ、手頃な価格で購入できるバッグを開発してきました」