文房具や寝具、化粧品、食品といった人々の生活に寄り添う商品を展開しているが、今回注目したのは、日本に特有のジメジメした夏場を快適に過ごすためのインナー「さらっと綿」だ。昨年からは編み方が新しくなったように、毎年顧客の声を汲み取りながら、よりよい商品の開発が行われている。 今期はラインナップの刷新に加えて、素材面でも改良があったようだ。商品開発担当の高垣伊織さんと素材開発担当の大常寿典さんに、24SSの「さらっと綿」の進化について伺いながら、今後の展望も語っていただいた。
PROFILE|プロフィール
高垣 伊織(たかがき いおり)
株式良品計画 衣服・雑貨部 インナー担当課長
2021年良品計画入社。アパレル製造小売業、化粧品メーカーでMD・販売に従事。
衣服・雑貨部のインナーとラウンジウエアの商品開発に携わる。
PROFILE|プロフィール
大常 寿典(おおつね ひさのり)
株式会社良品計画 産地開発部 素材開発担当課長
2021年良品計画入社。繊維商社と素材メーカーで製品ODM事業とグローバルSCMに従事。
衣服・雑貨部を経て22年9月より現職。無印良品のものづくりの基本となる環境・社会に配慮した素材開発を担当。
より快適な肌触りのために
「さらっと綿」の特徴について教えてください。
大常夏場にベタベタして不快感を覚えるのは、お肌と生地の間にある水分が原因です。その水分を取り除くために、「さらっと綿」には湿気をすばやく吸収するよう、特殊な機能加工を施した綿素材を使用しています。また、毛羽が少ない糸を使っているため、さらさらした肌触りになります。
そのうえで、糸の撚りの強さなどを緻密に計算しています。撚りが強すぎると肌当たりが強くなりますし、逆に弱めるとふわふわした温かみのある風合いになります。そのため、どれが一番肌に適しているのかを追求して生まれたものが、「さらっと綿」になります。