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注目の新作! アシックス「YOGIRI SPEED」に 秘められたポテンシャル
フルマラソンでサブ4(4時間未満での完走)を目指すランナー向けに開発されたアシックス「S4(エスフォー)」が登場したのは、2023年のこと。「S4」には、「Speed(スピード)」「Stability(安定性)」「Safety(安全性)」「Sub4(サブ4)」という意味がある。
そのアップデートモデルとして、「S4+ YOGIRI(エスフォープラス ヨギリ)」がリリースされたのは2024年。「YOGIRI」という商品名には、このシューズを着用して4時間切りを達成してほしい、という思いが込められていた。
そんな「S4+ YOGIRI」のDNAを受け継いだ「YOGIRI SPEED(ヨギリスピード)」は、どのようなシューズなのだろうか。

軽量性と安定性が向上。より快適にサブ4を狙える
サブ4は、フルマラソンのレースに挑む市民ランナーの多くが目標に掲げるタイムだ。達成のためには、1キロを約5分40秒のペースで走り続ける必要がある。レース後半までしっかりとそのペースを刻むことをサポートするために生まれたのが、「ヨギリスピード」なのだ。 「今回の大きなアップデートポイントのひとつが軽量性です。前作との比較で約13g軽くなっていて、シューズ重量は約227g(27.0cm片足)です。ミッドソールの上部に軽量性とクッション性、反発性に優れたFF LEAP(エフエフリープ)を採用したことで、より軽量なシューズになりました。
もうひとつの大きなアップデートポイントが、安定性の向上です。中足部から踵にかけて、底面の幅が広くなったことで、着地時により安定性が得られるようになりました。また、アウトソール中足部の内側部分もラバーをつなげたことで、走行時のオーバープロネーション(着地時に踵が過度に内側に倒れ込むランニング挙動)を抑制します」と、アシックスジャパン株式会社 商品企画担当の高橋路史さん。
「ヨギリスピード」のミッドソールは2層構造。前作はミッドソール上層部にFF TURBO PLUS(エフエフターボプラス)、下層部にFLYTEFOAM(フライトフォーム)を採用していたが、今作では上層部にFF LEAP、下層部にFF BLAST PLUS(エフエフブラストプラス)を採用した。クッション性と反発性を両立させることで、マラソン後半でも脚への負担を軽減しながら、スムーズな足運びをサポートする。

カーボンプレートの形状を変更
「ヨギリスピード」には、前作同様、フルレングスでカーボンプレートが搭載されているが、形状が見直された。 「ミッドソール内部に軽量のカーボンプレートを搭載し、足の動きを安定させて、効果的に身体を前方向へ推進させるようにしています。前作のプレートに対して“少し硬さを感じる”というランナーの声があったので、今作では踵部を二股に分かれた形状に変更し、フレキシブルでソフトなライド感が得られるようにしました」
ソール全体の厚さは踵部が約39.5mm、前足部は34.5mm。ドロップ(踵部と前足部の高低差)は5mmとなっている。アッパーには、部位に応じて編み方や孔の大きさを変え、通気性とフィット性を高めたエンジニアードメッシュを採用。長時間の走行でもシューズ内環境が快適にキープされる。

“サブ4”サポートシューズとはどんなシューズなのか
前述のように、「ヨギリスピード」は、サブ4を目指すランナーをサポートするために開発されたシューズだ。同じレース用シューズでも、アシックスのトップレーシングモデルである「METASPEED SKY TOKYO(メタスピードスカイトウキョウ)」や「METASPEED EDGE TOKYO(メタスピードエッジトウキョウ)」とはポジションが異なる。 昨今、アシックスのランニングシューズはラインナップが大充実しており、プレートを搭載したモデルに限ってもバリエーションが豊富だ。先に挙げた「メタスピード」シリーズ以外にも、「MAGIC SPEED 5(マジックスピード 5)」というカーボンプレート搭載シューズが存在している。
「マジックスピード5」のミッドソールは、「ヨギリスピード」と同じく上層にFF LEAP、下層にFF BLAST PLUSが採用されている。ソール全体の厚さは踵部が約37.5mm、前足部は30.5mmだ。スペックだけを見ると、「ヨギリスピード」とずいぶん似ている印象を受けるが、ライド感についてはかなり異なる。
「フィーリングで言うと、ヨギリスピードはより安定性を感じられ、マジックスピード5は操作性が高く感じられるのではないかと思います。そして、マジックスピード5は、約196g(片足27.0cm)とさらに軽量です。より接地感や軽さを求めるランナーにはマジックスピード5が適しているかと思います。
ヨギリスピードの方は、フルマラソンという距離にフォーカスしたモデルとなっていて、サブ4前後で走るランナーの方たちの声を聞き、そのニーズに寄り添って開発をしています。サブ4を目指しているランナーの方たちには、ぜひレースでヨギリスピードを履いていただけたらと思っています。
また、トレーニングで短い距離を速く走るという使い方をするのであれば、マジックスピード5の方が向いている場合が多いかなと思います」
実際に「ヨギリスピード」で走ってみると、無理することなくサブ4ペースの速度を維持できる感覚があった。底面の適度な広さと、ミッドソール下層のFF BLAST PLUSのおかげで、着地から蹴り出しまで十分な安定感が得られる。過度な沈み込みもなく、リズムよく進んでいける。
筆者の印象ではあるが、「マジックスピード5」よりもオートマチック感があり、長い距離を安定したペースで走るのに適していそうだ。今シーズン、サブ4に挑もうとしているランナーの方に、ぜひ一度足を入れてみてもらいたい。
PROFILE
高橋 路史(たかはし みちふみ)
アシックスジャパン株式会社 パフォーマンスランニングフットウェア・アパレル部 FWプランニング・MDチーム
METASPEEDシリーズをはじめとしたスピードサイロのマーチャンダイジングを担当。中・高・大と陸上部で、大学時代はマネージャーを務める。「身をもって感じる」をモットーに、担当となった1月からランニングを再開。この秋には15年ぶりのフルマラソンにチャレンジする。
Text by Fumihito Kouzu








