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「100%の気持ちで向き合える初めての趣味」てんちむが編み物に見出した、心地よい居場所

2026.01.15
YouTuberとして第一線で活躍している、てんちむ(橋本甜歌)さん。そんな彼女は今“編み物”に夢中になっており、SNSでも話題となっている。気分転換のつもりで手に取った毛糸は、いつの間にか日常の一部となり、そこから生まれたのがオリジナル毛糸ブランド「Amuyo(アムヨ)」である。
今回は、てんちむさんに編み物との出会いやブランド立ち上げの裏話、ものづくりに向き合う姿勢までを直撃。そこには、飾らない言葉の奥にある、てんちむさんらしい“手しごと”へのまなざしがあった。

純粋な「好き」から始まった、手しごとの時間

竹下通りから徒歩3分ほど。分かりやすい立地でありながら、喧騒から一歩距離を置いた場所にAmuyoは佇んでいる。その静かな空間は、忙しい日常から私たちを解き放ち、“癒やし”と“クリエイティブ”が交差する世界へと誘ってくれるようだ。
2025年9月末、てんちむさんによって誕生した毛糸ブランドAmuyo。心ときめくカラーバリエーションと、徹底した素材選びが支持を集め、編み物好きを中心に大きな話題となっている。
SNSでもその腕前がたびたび注目されているてんちむさんだが、そもそもなぜ、編み物にこれほど魅了されたのだろうか。
「一番のきっかけは、やはり子どもが生まれてからです。ただその前段階として、妊娠中に活動を休止していた時期の影響がありました。その頃、LE SSERAFIMのさくら(宮脇咲良)ちゃんが猫耳の帽子をSNSにアップしているのを見て、自分の中で“編み物”の概念がガラッと変わったんです。『編み物って、こんなに生き生きとしていて可愛いんだ』って。すごく面白そうだなと、初めて興味を持った瞬間でした。
とはいえ、すぐには始めず、実際に行動に移したのは出産後です。新生児の時期って、最初の1ヶ月ほどは基本的に自宅で過ごすじゃないですか。私はシングルマザーということもあって、ほとんど外にも出られなくて。
でも、その頃の赤ちゃんは寝て起きての繰り返しなので、意外と手がかからない時間もあったんです。そんなときに、この“おうち時間”を充実させたいなと思い浮かんだのが、編み物でした。興味を持ったのは妊娠中、実際に始めたのは子どもが生まれてからですね」
てんちむさんといえば、目標に向かってストイックに努力を重ねるイメージがある。YouTubeでも物事に真摯に取り組む姿が印象的だが、一方で編み物に関しては、もっと肩の力を抜いた、純粋な「好き」という感情から始まったものだという。
「多分、物事に向き合う“努力”には、どうしてもしんどさが伴うものだと思うんです。でも、編み物に関しては本当に趣味で、私の『好き』しかない世界。 もちろん、お店を始めたことで編み物や繊維の勉強は必要ですし、そこは努力して学んでいこうという気持ちはあります。
ただ、“編み物そのもの”は、あくまで純粋な気持ちから始まりました。自分の中で、ここまで100%の気持ちで向き合える趣味は、編み物が初めてなんです」

毛糸の夢の国──品質と価格への挑戦

アーチ型の棚に美しく収められた、ときめく色合いの毛糸たち。その光景はまるでフォトスポットのようだ。明るく開放感のある店内は、どこか海外の手芸店を思わせる。豊富に揃う毛糸を前に「何を編もうか」と思いを巡らせる時間さえも、ここでは心躍る体験のひとつになる。
Amuyoならではの魅力は、毛糸だけでなく、ハンドメイド作品やキットも購入できる点だ。
「開業前にはさまざまな場所へ足を運びましたが、特に印象に残ったのが韓国のハンドメイド専門店でした。ショップの雰囲気がすごく可愛くて。それと、Instagramで『作品を購入したい』という声をいただくことも多かったので、毛糸だけでなく作品も販売することで、より多くの方に楽しんでいただけるんじゃないかと考えました。
自分にしかできない組み合わせで、新しいことをどんどん仕掛けていきたい。内装もリサーチを重ねつつ、『自分がどういうお店を作りたいか』を突き詰めて決めました」
キラキラしたラメや綿菓子のような質感。日常にひとさじの甘さを添えるようなネーミングの毛糸には、てんちむさんの徹底したこだわりが詰まっている。
ナイロン100%のふんわり毛糸「金平糖」(¥2,310+税)
まるでプードルのようなくるくるとしたオリジナル毛糸「プードル」(¥900+税)
「良い素材ほど価格は高くなりますが、今回は“企業向け”ではなく“一般のお客さんに向けたお店”。手に取りやすい価格と品質の両立を最重視しました。信頼できる業者さんと出会え、国産ウールを安定して扱えるようになったので、素材への安心感や品質には特に自信があります」
その価格設定の裏には、編み物を愛するがゆえの葛藤と、ピュアな思いがあった。
「正直、最初はもう少し高く設定することも想定していました。でも、どうしても『インフルエンサーのお店=高い、名前貸し』という色眼鏡で見られてしまう懸念があって。100円ショップの優秀な毛糸が定着しているなかで、一から作るコストとのギャップには悩みつつ、価格はできるかぎり抑えました。
正直、原価率はあまり良くないです(笑)。それでも、“続けられる価格”と“納得できる品質”のバランスを取るために、今はなんとか頑張っています」

編み物をもっと身近に──Amuyoが描く未来

より多くの人に編み物を楽しんでもらうため、てんちむさんのアイディアは尽きることがない。
「今後は、かぎ針ケースなどの周辺アイテムも充実させていきたいですね。実はAmuyoの巾着がとても人気で。道具が可愛いとモチベーションも上がるので、使うたびに気分が高まるアイテムを形にしていきたいです。それから、初心者の方に向けたスターターキットも構想中です。編み図や動画、道具一式をセットにして、できるだけハードルを下げて気軽に始めてもらえたら」
オリジナルの毛糸や作品が並び、訪れる人を夢の国へと誘うAmuyo。昨年実店舗がオープンしたばかりだが、今後の店舗展開はどう考えているのだろうか。
「手を広げすぎるよりも、自分がきちんと大切にできる範囲で続けていきたいです。ただ、遠方でなかなか来店できない方のために、大阪や福岡などでポップアップは開催したいですね。できるだけお客さんの声に応えていきたいので。
Amuyoでは“温かさ”をとても大切にしています。それは接客も同じ。自分たちが温かい気持ちでいれば、きっとお客さんにも伝わるはず。常にお客さんの立場に立ってアドバイスをしてほしいと、スタッフにも伝えています」
編み物をもっと身近に、もっと楽しく。
「いつか“編み物カフェ”のような場所を作って、ワークショップや編み会を定期的に開催できたらいいですね」
そう語るてんちむさんの思いは、毛糸や空間、そしてスタッフや訪れる人々を通して、Amuyoという場所に確かに息づいている。

<店舗情報>
Amuyo
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-19-1 T’s LINK原宿 1F Amuyo

公式Instagram

Text by Tajimax

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