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2021.01.18

店舗にいるようなオンライン体験!「TIG LIVE」による新しいライブコマースとは?

5Gが普及し始めた昨今、もはやデジタル通信が生活に欠かせないインフラとなってきていることは想像に易い。しかし、コンテンツについてはどうだろう?ECのショッピング体験は一様化しているような気がしてならないし、オフラインを超える体験というものは可能なのだろうか?
そんななか、ANREALAGEが昨年の9月に発表したコレクションは、動画視聴におけるスムーズな購買体験を可能にする「TIG」(ティグ)を採用した。動画内の商品をタッチするだけでその情報を見ることができ、また購入もできる仕組みだ。ブランドの世界観はそのままに、ブランドとユーザーのコミュニケーションが成立している。
上記の「TIG」を開発したパロニム株式会社は、新たに「TIG LIVE」(ティグ ライブ)というサービスを昨年11月に発表。パロニムは「TIG」のサービスを2018年3月に開始し、「TIG Magazine」(ティグ マガジン)「TIG Signage」(ティグ サイネージ)「TIG Learning」(ティグ ラーニング)など、特化した目的別に機能強化したラインアップをリリースしてきたが、「TIG LIVE」ではLIVEストリーミング上でも配信者が自然且つ簡単に商品情報を視聴者に届けることが可能となった。今回はこの「TIG LIVE」について、「TIG」を開発、展開しているパロニム株式会社 代表取締役 小林道生さんにお話を伺った。

より接客感を生み出す新しいライブコマース

まず、「TIG」から「TIG LIVE」へと派生したきっかけは何だったのだろう?
「以前からライブコマースには注目していたのですが、従来のサービスでは視聴から商品紹介の導線が設けられていなかったり、操作性が難しく配信者が混乱していたり、また、一方的に決め打ち商品を押し売りする、圧の強いUI、UXが目立っていました。これ等を本質的に解決できる仕組みを取り入れ、配信者も視聴者も双方向のコミュニケーションの中で極自然に、オンラインで一緒にショッピングをしている感覚で楽しめるサービスを提供したいと考えたことがきっかけです。」
また、従来のライブコマースとは異なる、リアル店舗でのコミュニケーションに近いオンライン購買体験の創出にこだわって開発した部分が大きな強みだそうだ。具体的には以下の4つの特長がある。

1. 配信者のプロセスが極めて簡単でありつつ、ロケーションフリーで自然な演出が可能
2. 視聴者のコメントに寄り添った双方向・ディープエンゲージメント接客が可能
3. 事前にAPI連携しておけば、全商品が配信対象可能
4. アンケートシステムの投票結果に沿って進めるユーザドリブンな演出により、全視聴者参加型の演出、双方向性を実現(次は何の商品が見たいですか?お悩みは何ですか?など)

配信の流れ

事前準備から配信の流れまでは上記図の通り非常に簡単だ。

事前準備
LIVE配信したい商品の『商品画像・飛び先(購入ページ等)URL・商品のJANコード(またはRFIDタグ・バーコード、QRでも可)』をTIG LIVE管理画面に登録。
※クライアント様用管理画面から登録可。
※CSVで流し込みも可。
※在庫管理システム(POS等)とTIGの管理システムをAPIで連携も可。

配信時/配信側
「TIG LIVE」アプリをインストールしたスマートフォン(現在はiPhoneのみ)にて、LIVE撮影&配信。ハンディタイプのタグリーダーをBluetoothで同iPhoneに接続し、あとは商品の値札についているJANなどを読み込むだけで、視聴者側の「TIG LIVE」画面に商品アイコンが出現する仕組み。
※タグリーダーは市販のものでも可、またはレンタルも可。

受信/視聴者側
配信者側がシェアしたSNSやLINE、ウェブページ等に貼り付けられた「TIG LIVE」(ブラウザベース)を視聴。配信者がタグリーダーで読み込んだ商品アイコンが受信者側の画面に掲出されるので、これをタップすると購入ページや詳細ページなどに遷移できる仕組み。

このように、発信者も受け手も簡単な操作のみで配信コンテンツを提供/楽しむことができる。店舗の世界観を重視あるいはOMO施策展開を検討しているブランド、さらには視聴者との双方向的コミュニケーションができるためオンライン展示会など遠地の視聴者にも届けることができる。

マーケットのニーズに合わせた技術開発

商品の値札にはほとんどバーコード(JANコード)が付いていて、最近はRFタグが埋め込まれている場合(ブランド・店舗)も多くなっているため、マーケットのニーズに合わせた技術開発が進められている。また、商品管理も既存のPOSシステムなどに連携して利用できるため、管理面から見てもメリットは大きい。
さらに、「TIG」は重なり合う物体や動く物体の認識、ヒートマップの作成などの技術特許を取得。これ以外にLIVEに関するものや、スマホ上で簡単にTIG付けができるUGC分野で効力発揮しそうな特許など、日本・米国・中国含め20近くの技術特許を既に取得しているという。特許要素に絡む基幹システムについてはほぼ社内で開発。画像解析・インフラ・Liveサーバ処理・フロントエンド開発等にプロフェッショナルなメンバーを配置できていることで、サービスの一部の領域だけでなくサービス全体の開発・実現が可能な体制を構築しているそうだ。
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