2025.08.14THU
NEW 新コンテンツ追加
会員限定コンテンツが追加されました!
会員登録すると、特集記事の閲覧や限定イベントにご参加いただけます。
2025.08.14

CO₂からポリエステルをつくる──Fairbricsが挑むファッション業界の脱炭素革命

リンクをコピーしました
※音声読み上げ機能はAI生成のため、
読み間違いが発生する場合があります。
ファッション業界の環境負荷が問われる今、「CO₂から服をつくる」という夢のような発想が現実になりつつある。
2019年にフランス・パリで設立された化学企業の「Fairbrics(フェアブリックス)」は、回収したCO₂排出物を原料に、従来のポリエステルと同等性能を持つ繊維を製造する革新技術でファッション業界の脱炭素化に挑んでいる。
今回は、同社の事業統括責任者であるブルーノ・マレンゴさんに、CO₂から服をつくる技術とファッション業界の課題、そして商業化の展望を詳しく聞いた。
PROFILE|プロフィール
ブル�ーノ・マレンゴ(Bruno Marengo)
ブルーノ・マレンゴ(Bruno Marengo)

Fairbricsのビジネスオペレーション部門の責任者であり、ファッション分野における国際開発の専門家です。産業から排出されるCO₂を繊維へと変換するプロセスを開発する世界トップクラスの科学者たちを支援する上で、フェアブリックスの中核的な役割を担っています。

CO₂からポリエステルへ──革新技術の全容

Fairbricsは、これまで廃棄物として扱われていたCO₂を資源へと転換することで、ポリエステル製造に革命を起こそうとしている。
同社が開発した技術では、MEG(モノエチレングリコール)やPTA(高純度テレフタル酸)というポリエステルの主要原料を、化石資源ではなくCO₂から合成することができる。これは、「工業的な光合成」とも呼べるプロセスであり、通常1,600℃近い高温で行う工程を200℃以下の低温で実現するため、エネルギー消費が非常に少ない点が大きな特長だ。
「このプロジェクトのきっかけは、創業者のひとりであるトウフィーク・ナスルッラーが、2014年からCO₂の有効活用に関する研究を個人的に始めていたことでした。その後、素材科学の専門家であるもうひとりの創業者、ブノワ・イリーと出会い、CO₂を原料としてさまざまな化学物質を生成できること、さらにはCO₂にポリエステル製造に不可欠な物質が含まれていることを発見したのです。
この記事をシェアする
リンクをコピーしました
CONTACTお問い合わせフォーム
ご質問やご要望がございましたら、以下のフォームに詳細をご記入ください。
お問い合わせ項目必須