素材の持つ強さが水引の魅力 現在は海外でワークショップも
最初に、水引細工について教えてください。
水引細工はもともと結納品として使われており、海老や鯛、玉結び、老いの波、梅結び、松結びなど、多種多様な結び方があります。
しかし、どの結び方も基本は同じで、「あわじ結び」という結び方がベースになっています。極端にいえば、あわじ結びができればどの結び方にも応用できるイメージです。
水引は紙でできていると聞きますが、ここまで立体的に仕 上がるんですね。
それは水引という素材が持つ力です。一見すると水引は紐に見えるので、ここまで立体的になるとは想像しにくいかもしれません。しかし、水引は紐ではなく、強度があるため立体的な結びも可能なのです。
その秘密は水引の素材、つまり日本古来の紙である和紙にあります。和紙をこより状にして水ノリで固めると水引になります。現在では、その上に糸やフィルムを巻くことで完成します。
私個人の感想ですが、これほどの強度を持つ素材はほかにないと感じています。だからこそ、水引そのものの素晴らしさを伝えたいという想いから、造形にこだわって制作をしているんです。それがすごく楽しいんですよね。