職人夫婦がオーダーで作る加藤人形店の雛人形、東西折衷の名古屋節句飾
2026.03.03
職人夫婦がオーダーで作る加藤人形店の雛人形、東西折衷の名古屋節句飾
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名古屋市の北東部に細長く伸びる守山区。戸建ての住宅が広がるエリアに工房兼店舗を構えるのが、名古屋節句飾を作る加藤人形店だ。雛人形司として蓬左佳峰(ほうさ・かほう)と名乗る加藤高明さんと、妻の真由美さん夫婦は、いずれも名古屋節句飾・人形胴体部門の伝統工芸士。名古屋節句飾は、関東と関西の汽水域である名古屋らしく、武家と公家の文化の折衷式が特徴だ。その加藤人形店でお話をうかがった。
PROFILE|プロフィール
右から加藤 高明(かとう たかあき)、 加藤 真由美(かとう まゆみ)
右から加藤 高明(かとう たかあき)、 加藤 真由美(かとう まゆみ)

加藤 高明、加藤 真由美
国指定 名古屋節句飾 伝統工芸士

かつて人形作りの集積地だった名古屋市守山区

名古屋の中心部・栄から窯業の町・瀬戸へと延びる名鉄瀬戸線。その途中にある守山区は、かつて人形作りに関わる人が多く集まる場所だった。理由はその土地にある。以前の雛人形といえば七段飾りが主流だった。

内裏雛に三人官女、五人囃子、随身、仕丁の計15体を一式として求める家庭が多かったため、人形作りにはそれらの商品を保管・陳列するための広いスペースを要した。結果的に名古屋の中心部と比べて、敷地を確保しやすかった守山区に人形業者が集まったのだ。

「私が20歳くらいで仕事を始めた頃は、守山区だけで人形屋は23軒くらいあったかな。それが30年以上経って、とうとう今ではうち1軒だけになりました」(高明さん)

現在、加藤人形店では個人からの雛人形のオーダーを受けているが、元は小売りをしておらず、作った商品は全国の人形店に卸していた。しかし不景気と少子化、風習の廃れによる需要の鈍化が状況を変えた。

外務省・国際交流基金からの依頼で製作し現在各国の美術館や領事館を巡回中の雛人形
外務省・国際交流基金からの依頼で製作し現在各国の美術館や領事館を巡回中の雛人形