
株式会社清原織物 代表取締役(第11代)
1976年 滋賀県生まれ
1998年 東京農業大学オホーツクキャンパス 生物産業学部 産業経営学科卒業
地元工務店にて勤務。伝統工法による住宅建築の設計施工・現場管理に従事
2014年 清原織物入社
2017年 全国伝統的工芸品産業大賞 活性化部門功労賞
2017年 グッドデザイン賞 受賞
2023年 グッドデザイン賞 特別賞グッドフォーカス賞(堀田カーペット社と協業)
2025年 第5回日本和文化グランプリ入選
清原織物の歴史は室町末期にさかのぼる。創業期の詳細は残っていないものの、清原家が織物業に携わ っていたことは古文書からも確認され、明治6年には「清原商店」として旗揚げした記録が残る。京都・御室から滋賀へ移転した後も、皇室献上品や全国の祭礼幕、寺社仏閣の装飾など、晴れの場を彩る織物を手がけてきた。
しかし代々続く工房といっても、豪壮な蔵があるわけではない。清原さんは「サバイブし続ける家だった」と笑う。戦争やバブル崩壊など何度も経済の波に直面しながら、“残すべきは技術”という一点だけを頼りに家業はつながれてきた。
建築業界で長く働いていた清原さんは、もともと家業を継ぐつもりはなかった。家族も誰も彼が継ぐとは思っていなかったという。ただ、職場で「自分の裁量が届かない部分」を感じ始めた頃、ふと家業を見つめ直した。誰も継ぎ手がいない工房。自分が入れば、いずれはすべてを自分の判断で動かせる。「好きにできる未来がある」と思った瞬間、工芸への興味が一気に開いた。
そして2年をかけて転身。技術ゼロからのスタートだったが、“残すために動く”という明確な意志だけはあった。