屋根瓦からサウナストーンまで 「菊間瓦」を次世代へつなぐ小泉製瓦の挑戦
2025.02.18
屋根瓦からサウナストーンまで 「菊間瓦」を次世代へつなぐ小泉製瓦の挑戦
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いぶし銀の重厚な美しさをもつ「菊間瓦」の産地である愛媛県今治市菊間町。この地で300年以上にわたり伝統を受け継いできた窯元「小泉製瓦有限会社」の10代目、小泉信三さんは、菊間瓦の可能性を広げるべく、新たな試みを続けてきた。
日本の風土に合う瓦の特性を生かしつつ、現代の生活に適した素材や焼き方にアレンジしたオリジナルの瓦製品には、こだわりとアイディアがふんだんに盛り込まれている。
今回は菊間瓦の魅力や製造工程、文化を次世代に伝えるための取り組みについて、小泉さんにお話を伺った。
PROFILE|プロフィール
小泉 信三(こいずみ しんぞう)
小泉 信三(こいずみ しんぞう)

1970年生まれ、愛媛県今治市菊間町出身。菊間でも老舗の、創業300年以上を超える窯元の10代目である。2008年から屋根瓦以外の工芸品製作を開始し、屋号の名前「菊貞」として活動。伝統を守りつつも原点の屋号を使い、新しい瓦の魅力を発信している。

受賞歴
平成24年 吉本興業100周年記念 なんばグランド花月に掲げる芸人看板大賞受賞
平成28年 伝統的工芸品産業大賞若手奨励部門奨励賞受賞
21世紀えひめの伝統工芸大賞 10回受賞

瓦の可能性を模索し、オリジナル工芸品の製造を開始

御社の創業の経緯と、瓦の工芸品を製造されるようになったきっかけを教えてください。
弊社は300年以上続くいぶし瓦の窯元で、私は10代目です。屋号は5代目の小泉貞吉の時代から、「菊間町の貞吉」という意味で「菊貞」と名乗っています。

現在、屋根瓦は「小泉製瓦」として展開し、工芸品には「菊貞」の刻印を入れています。小さい工芸品にも刻印しやすいように短い名前を考えた結果、原点である屋号を使いつつ新しい発信をしていきたいという思いでこの名前を採用しました。

瓦を使った工芸品を作り始めたのは15年ほど前のことです。きっかけは時代とともに屋根瓦の需要が減少してきたことが大きかったですね。

お客様から「瓦でお皿を作ってもらえませんか」と依頼されることもありましたし、窯で瓦を焼く隙間を活用して、まずは小物から作ってみようと考えました。
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