1998年生まれ、京都府出身
2022年 金沢美術工芸大学工芸科卒業、2024年同大学院美術工芸研究科染織 コース修了
2023年 「2023伊丹国際クラフト展-ジュエリー-」入選
2024年 「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2024」 MUFG特別賞を受賞
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実家が京都で染工場を営んでいます。曽祖父の友禅染め工場を発祥とし、現在は父が洋服のプリントを中心にオートスクリーンやインジェットプリンターを用いた仕事を行っています。祖父母の家でもあったので、小さい頃から工業製品としての布が身近にありました。プリントの染料は自動調液機というコンピューターで調色、調合しますが、気候や湿度に合わせ、必ず職人の手によって最終の微調整が行われます。そうした染めの工程を間近で見て、機械で量産される布も人の手が加わって完成していることを知りました。
高校時代には「手に職をつけたい」と考えるようになり、染色や陶磁など色を使ったものづくりに興味を持ちました。九谷焼など、工芸が根付く静かで落ち着いた環境で学びたいと思い、金沢美術工芸大学に進学しました。1年生のときは専門を選択せずに工芸全般を一通り学び、2年生の専門を選択する際、織りを体験したときの楽しさと、「素材との距離感や素材の硬さで選ぶのも手だ」という漆芸の田中信行教授の言葉にも影響を受け、染織を選びました。私にとって、金属は硬すぎ、土は全身の動きが伝わるため、自分の体や気分 までをも反映しすぎたのです。繊維は、表現するのに手触りや力加減などがちょうど良く、繊細な絹糸は、扱いやすさと扱いにくさの間にある素材です。熟練した職人のように完全には繊維をコントロールできませんが、それもまた魅力に感じています。