1990年佐賀県生まれ、関西大学社会学部心理学科卒業。
服飾業界での勤務を経て、江戸時代より300年以上続く和紙工房、名尾手すき和紙の七代目として家業を継ぎ伝統を守る傍ら、作家として作品の制作を行う。
佐賀を拠点に活動し、KMNR™としての活動を経て、国内外各地で個展を開催し、グループ展にも参加している。
名尾手すき和紙の歴史は、約330年前にこの土地の農民が、福岡・筑後で学んだ和紙技術を持ち帰ったことから始まる。名尾は平地が少なく、農業だけでは生計を立てにくい地域だった。農耕地不足を補うために身につけたのが、紙づくりという新たな技術だった。
その際、名尾に自生していた梶が原料として適していたことが、名尾ならではの和紙文化を育んだ。
紙を漉き、売り先を探し、仕事をつくる——すべてを自ら行う必要があったため、名尾では早い時期から“開かれた工房文化”が育った。提灯職人といった職人とともに、その用途に応じて紙の厚みや表情を調整してきた歴史は、現在の共創的な姿勢にもつながっている。
伝統を守ろうと肩肘を張るのではなく、「生活の延長として紙をつくり続けてきただけ」という自然体の姿勢こそ、名尾手すき和紙の原点だ。