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2024.09.04

100%Made in Englandにこだわった、老舗ニットブランド「PEREGRINE(ペレグリン)」に注目

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ヨーロッパ圏では100年~200年ほどの歴史あるニットブランドがいくつか存在するが、その中でも「PEREGRINE(ペレグリン)」は歴史が古く、1796年創業で220年を超える老舗だ。
今回は真下商事株式会社 ブランドセールスの長谷川泰丈さんに、ブランドの歴史と名品と呼ばれる定番アイテムの数々を紹介してもらった。
「PEREGRINEはイギリス レスター郊外の街ウィグストンで、トーマス・グローバーという人物が編み物業者として事業をはじめました。そこから8代受け継ぎ、グローバー家が代々守り続けているというブランドです。
トーマス氏の孫で、3代目となるサミュエル・グローバー氏が事業を引き継いだときには26人以上の従業員を雇用していました。1900年代に入ると編み物の事業は活況を呈し、数年間の成功と事業への多額の投資を経て、1901年には5代目経営者となるジョン・ジョージ・グローバー氏が『JG Glover & CO LTD(ジェイ ジー グローバー アンド カンパニー リミテッド)』を設立しました」
写真:向かって左 創業者のトーマス・グローバー氏 写真:向かって右上下 PEREGRINEに残る古い工場の様子
写真:向かって左 創業者のトーマス・グローバー氏 写真:向かって右上下 PEREGRINEに残る古い工場の様子

イギリス軍への供給とアメリカとの貿易

ここまでですでに創業から100年以上が経っており、すでに老舗のニットメーカーという存在になっていたが、ここからさらに企業としても成長していく、引き続きお話を伺っていこう。
「1900年代初頭にJG Glover & CO LTDはイギリス海軍・陸軍・空軍研究所に靴下を供給しはじめます。そしてその後の第1次世界大戦中も軍用衣料の生産を続けました。1920年には300人以上の従業員を雇用し、世界中に製品の輸出をはじめました。
その後、経営者のジョン・ジョージ氏は、2週間かけて大西洋を横断し、アメリカとの貿易をスタートさせ世界規模のビジネスへと発展していきます」

PEREGRINEブランドが誕生

創業から160年が経った1956年、いよいよPEREGRINEブランドが誕生する。歴史を受け継ぎ、現在でも定番アイテムとしてラインナップされているアイテムを紹介してもらおう。
「ジョン・ジョージ氏の息子で6代目となるドナルド・グローバー氏が、新しいブランドとして『PEREGRINE CLOTHING(ペレグリン クロージング)』を設立し、1970年代には大手デパート向けの衣料品の製造も開始するなど、ブランド展開をしていきました。
1980年代には海外の安価な製品がたくさん出回りはじめますが、そんななかでもPEREGRINEは高品質のMade in Englandに注力しました。こうしていまもなお、定番商品として受け継がれているアイテムをいくつか紹介させていただきます。
まずは『『WILKINSON CARDIGAN(ウィルキンソン カーディガン)』という、伝統的なカントリーセーターからインスピレーションを得て、現在のオーナーであるトム・グローバー氏によるオリジナルデザインアイテムです。メリノウールを100%使用し、とても柔らかく、しっかりとした肉厚感があります」

編み物のパターンにそれぞれ意味がある「HUDSON ARAN(ハドソン アラン)」

続いても伝統的な「アランセーター」を紹介してもらおう。アラン諸島が名前の由来となる「アランセーター」は別名「フィッシャーマンセーター」と呼ばれ、ヨーロッパの漁業街で広く編まれているものだ。PEREGRINEでは「HUDSON ARAN(ハドソン アラン)」という商品名で展開され、これも歴史のあるアイテムとなっている。
「もともとは悪天候でも漁に出る漁師のために作られたアランセーターには、編み物のパターンそれぞれに意味があり、漁の安全や、繁栄を願うものとなっています。このパターンの組み合わせは編む人、もしくはブランドによってさまざまです。
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