私たちの子どもの頃から憧れの存在であり、まるで親友のように身近な存在でもあった
リカちゃん。タカラトミーから展開されているリカちゃんは、誕生から今年で57年を迎えた。
世代によっては、リカちゃんというと着せ替え人形としての印象が強いが、近年ではインフルエンサーとしてのリカちゃんの活躍が目立ち、SNSでは、「リカ活」などを中心に大人にも人気となっている。
しかし、身近な存在であ りつつも、最新のリカちゃんについては意外と私たちの知らないことが多い。現在のリカちゃんは、どのように進化してきているのだろうか。今回は、常に私たちを魅了し続けるリカちゃんについて、タカラトミーリカちゃん事業部マーケティング担当・杉山陽菜さんにお話を伺った。
PROFILE|プロフィール
杉山 陽菜(すぎやま ひな)
2020年タカラトミー入社。バトルホビーの企画開発を担当後、リカちゃん事業部にてリカちゃんのマーケティングを担当。
着せ替え人形としてのトレンドの取り入れ方
SNSで最新のファッションに身を包むリカちゃんは、もはや人形という枠を超えているように感じる。ヘアスタイルから、メーキャップ、アクセサリーまで、ファッション雑誌のモデルのようにトレンドが反映され、その徹底したこだわりに驚きを隠せない。リカちゃんへのトレンドの取り入れ方も、年々より進化していっているように感じるが、日頃からこの点において意識していることはあるのだろうか。
「たとえば、ファッション雑誌から一般的な流行を 取り入れるというのはもちろんあるのですが、現在の子どもたちが、どんなファッションを好んでいるのかというところも重要視しています。実際に、原宿の竹下通りなど子どもたちの流行の発信地に足を運び、よりリアルな情報を取り入れることを意識していますね」
前述したように、最近では「リカ活」などを中心に大人にも人気のリカちゃんだが、ファッションやメイクもティーン世代向けのものだけではなく、大人が欲しくなるようなコーデに身を包んでいるのもポイントだ。
大人向けドールシリーズ「LiccA Stylish Doll Collections」のシリーズでは、大人が楽しめるリカちゃんとして、上質なコレクションを展開。子どもの憧れの存在だけではなく、大人にも憧れてもらえることをコンセプトにしているという。
「近年では、大人の方にも楽しんでいただけることを重視していまして、大人にも憧れてもらえるようなコーディネートを意識しています。
あとは、リカちゃんがファッションを着こなす上で、いかに可愛く見えるかというのも大切にしていますね。たとえば、生地の厚さとか、柄の大きさ、素材によっても見え方が変わったりしてしまうので、気をつけないと気膨れして見えたりしてしまうことがあります。ですので、リカちゃんが一番可愛く見えるコーディネートを選ぶようにしています」
筆者の知っているなかでも、リカちゃんの年齢で、これほど多くの企業とコラボレーションをして活躍しているインフルエンサーは日本にそういないだろう。
タレント名鑑にも掲載されているリカちゃんは、これまでもアパレル企業や大手外食チェーン、食品メーカーと幅広い分野でイメージキャラクターとしてコラボレーションをしてきた。多くの企業からオファーが絶えないリカちゃんだが、リカちゃんが企業とコラボレーションする上で意識していることはあるのだろうか。
「リカちゃんが、トキメキとか憧れとか夢をお届けできる存在でありたいというのが、メッセージとしてあります。それを踏まえた上で、コラボレーションでより夢が広がりそうとか、ワクワクしそうとか、面白いと思ってもらえる企業とリカちゃんがコ ラボレーションをすることで楽しんでいただければ嬉しいです。
特にアパレルブランドとは、リカちゃんの世界観でファッションのコラボレーションをすることができるので、そういった意味では非常に相性がいいなと思っています」
直近では「#Licca(ハッシュタグリカ)」シリーズで、女子小中学生に大人気のファッションブランド・ラブトキシックとコラボレーションをした。ナルミヤ・インターナショナルから展開されている同ブランドとは、どのような経緯でコラボレーションに至ったのだろうか。