龍工房の137年の歴史と『粋』の精神に根ざした新たな��挑戦
2024.11.13
龍工房の137年の歴史と『粋』の精神に根ざした新たな挑戦
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柔らかな紐、硬い紐、ざらざらとした紐、滑らかな紐。さらには暗闇で光る紐もあれば、中にチューブを通した紐もある。思わず「こんなにも紐の種類があるとは……」と感じていると、龍工房の3代目・福田隆太さんが「組紐にはたくさんの可能性があるんですよ」と教えてくれた。今回は日本橋で組紐の可能性を追求している、株式会社龍工房の福田隆太さんに、東京の伝統工芸品である東京くみひもの歴史や魅力、可能性についてインタビューしきた。
PROFILE|プロフィール
福田 隆太(ふくだ りゅうた)
福田 隆太(ふくだ りゅうた)

株式会社龍工房 新規事業開発部長
1993年生まれ。大学卒業後、龍工房へ。2022年には千葉県にて福田さん製作の「江戸組紐」が伝統的工芸品としての指定を受けた。組紐伝統の技を磨きつつ、現代のニーズを捉えた新商品の開発に取り組むなど、組紐の可能性を探る活動を続けている。

歴史によって使われ方が変わってきた組紐

最初に組紐や東京くみひもについて教えてください。
そもそも組紐とは3本以上の繊維を組み込んで作る紐のことで、その要素は古い時代だと縄文土器の縄目の紋様に見ることができます。

もともと1400年以上前に大陸から日本に伝来したと考えられていますが、日本人の生活とともに発展したことで独自の特徴を持つようになりました。

おそらく大陸から伝わって来た当初は、ただの紐の製法として広まっていったのではないでしょうか? しかし日本の文化が発展していくにつれ、組紐もまた日本独自の進化を遂げていったのです。

たとえば江戸時代、千利休の活躍によってお茶の文化が栄えました。茶道を嗜む人々は自分の茶道具を入れる袋・仕覆(しふく)を持っており、その袋を結ぶ組紐が使われていたといいます。
そうしていくなかで芸術的な結び方や複雑な結び方が次々と生まれ、対応するように組紐にも組み方の種類が増えていったのです。
その後は武士が用いる刀の柄巻(つかまき)や下緒(さげお)に使われていったといわれています。

こうした機能的な使われ方が多かった組紐にとって大きな転機となったのは、江戸時代中期、着物に現代でも使われるような帯を巻く文化が栄えたことでした。
帯を締めるということは、帯だけでなく、帯を留める紐も必要となります。そのため組紐は一気に需要が拡大したのです。
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