

角萬漆器 代表取締役として主な職務は経営全般・商品製作。
経営面については従来からの店頭販売を大切にしつつ、新商品開発・ブランディング・新技術開発をとおして販路拡大を目指す。また職人の高齢化や後継者不足に備え自身も技術の継承をしながら、商品の製作を行い次世代に技術の伝承を行う。
2022年 に那覇市前島から首里へ移転し、製造・販売に加え店舗内にて新たにカフェを併設。「器が主語のカフェ」をコンセプトに器と食の関係性に重きをおいたイベントやワークショップなどを定期的に開催し、琉球漆器を身近に感じる提案をしています。また移転を機に工房見学が可能になり職人の技を間近で体験することができます。
琉球漆器を特徴づける要素として、「鮮やかな朱色」「独特の模様」「大型の器形」の3点がある。中でも技術的に特筆すべきは、「堆錦(ついきん)」と呼ばれる沖縄独自の加飾技法である。
堆錦とは、焼いた漆に顔料を混ぜ、餅状の塊にしたものを薄く延ばし、切り抜いて器物に貼り付ける技法だ。一般的な漆芸における蒔絵(まきえ)や沈金(ちんきん)が平面的であるのに対し、堆錦は立体的な表現が可能であり、南国特有の強烈な日差しにも負けない鮮やかな色彩を放つ。
「液体の漆を固体化する技法、と言い換えることもできます。漆を焼いて顔料を混ぜ、叩いてローラーで延ばす。この工程を経て初めて、自由な造形が可能になります」この堆錦餅(ついきんもち)を作る工程には、温度や湿度の管理を含め、熟練した職人の勘と経験が不可欠だ。
また、漆器の素地となる木材にも沖縄ならではの特徴がある。主に使用されるのは「シタマギ(エゴノキ)」と「デイゴ」だ。特にデイゴは日本でもっとも軽い木材の一つとされ、乾燥による狂いが少ない。そのため、琉球漆器に見られる「東道盆(トゥンダーブン)」のような大型の蓋付き容器であっても、蓋と器の合い口が狂いにくいという利点がある。シタマギも同様に、芯を持ったまま加工しても割れにくいという特性を持ち、古くから重宝されてきた。
しかし現在、これらの県産材の入手は困難になりつつある。やんばるの森が国立公園や世界自然遺産に登録されたことで伐採ができなくなり、材料確保が課題となっている。嘉手納さんは、県外の木材の活用や、新たなサプライチェーンの構築を模索しながら、伝統的な技法の維持を模索している。
