1943年東京都生まれ。希少な古材を使った、江戸八角箸の製造で知られている。中学卒業後、築地にある山形屋で漆芸を学ぶ。
18歳で家業の「漆芸中島」に戻り、以降漆塗りの椀や江戸八角箸、漆塗り家具などの製造に従事する。
81年、一級漆器製造技能士取得。86年には東京都知事賞を、96年には優秀技能章を受賞した。
作業場には独特の緊張感が漂っている。中島さんがヘラで漆を練る手つきは、長年の経験に裏打ちされた無駄のない動きだ。中島さんは、漆という素材の性質を「生きている」と表現する。
「漆がどのくらい優れているかというと、サルモネラ菌や大腸菌といったあらゆる菌を漆の上にのせると、そのほとんどが死滅してしまうわけです。24時間でね。他の塗料では菌が増えていくけれど、漆には殺菌作用がある」
かつて冷蔵庫のない時代に、重箱に入れたおせち料理が10日も持ったのは、この強力な殺菌作用によるものだ。