常滑急須の深淵な世界、職人・小西洋平が生み出す無二の茶器
2025.10.22
常滑急須の深淵な世界、職人・小西洋平が生み出す無二の茶器
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六古窯と呼ばれる古くからの焼き物の産地がある。瀬戸、信楽、越前、丹波、備前と並ぶなかで、最大の産地として栄えたのが常滑だ。同地は名古屋の南、伊勢湾に突き出す知多半島の西側に位置し、焼き物は海路を通じて各地へ運ばれた。瀬戸や美濃と同じく、650〜100万年前に存在していた巨大な古代湖、東海湖に溜まった良質な粘土をその原料としてきた。
常滑焼の起源は平安末期。江戸時代までは土管、甕(かめ)、朱泥茶器の生産で栄え、明治以降は煉瓦タイルや衛生タイルなども作ってきた。その常滑で今も代表される焼き物の一つが急須である。常滑市無形文化財保持者であり愛知県優秀技能者(あいちの名工)の小西洋平さんにお話をうかがった。
PROFILE|プロフィール
小西 洋平(こにし ようへい)
小西 洋平(こにし ようへい)

陶芸家

この家に生まれるべくして生まれた

小西さんは天性の職人だ。1941年に常滑で生まれ、84歳になった今に至るまで、考えることは常に焼き物のこと。

「物心ついたときから親父の横で手伝っとったもんだ。好きなことだでね。親からもらった10本の道具(指)は今でも使えるもんだ、命ある限りじゃねえけども」

柔和な表情と共に、心地よい常滑弁で喋る小西さんが作る急須は、独特の雰囲気をまとう。父親は同じく陶芸家の小西友仙。友仙もまた常滑を代表する急須職人であり、その長男として、中学のときにはすでに家で急須作りを担った。

かつて制作した狛犬たち
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