大寒を過ぎ、寒さがもっとも厳しい季節となりました。朝起きるのが辛いこの時期、湯気の立つ温かいお味噌汁やスープは、身体だけでなく心まで解きほぐしてくれるようです。
前回は、焼き物における「陶器(土)」と「磁器(石)」の違いについて解説しました。今回は、日本の食卓に欠かせないもう一つの主役、「漆器」についてお話しします。
「漆器は高級品だから、お正月や来客時しか使わない」「管理が難しそう」。そんなイメージを持って、食器棚の奥にしまい込んでいませんか?
実は、漆器にとって一番良くないのは「使わないこと」なのです。今回は、漆器にまつわる誤解を解きつつ、冬こそ使いたい漆器の実力と、失敗しない選び方を紐解きます。
陶器や磁器のお茶碗に熱々のご飯や汁物を入れたとき、「あちち!」と手を引っ込めた経験はありませんか?
一方で漆器のお椀は、できたての汁物を注いでも、手で持つとほんのり温かい程度。けれど口をつけると、中身はしっかりと熱いまま保たれています。これは、素材である「木」と「漆」が、非常に高い断熱性を持っているからです。
・手には優しく、中身は冷めにくい(魔法瓶のような効果)
・口当たりが柔らかく、金属や陶器のような「冷やっ」とする感触がない
この機能性こそが、寒さが厳しい1月、2月の食卓に漆器をおすすめしたい最大の理由です。
