近年のファッションシーン、とりわけラグジュアリー業界においてアイウエアの需要が高まっている。ひと昔前までアイウエアは、あくまでファッションを彩るアクセサリーというイメージが強かったが、最近は老舗の工房と協業するブランドも出てくるなど、クオリティにもこだわったコレクションが展開されている。
2014年にアーレム・マナイ・プラットがスタートした、LAとパリを拠点に展開するアイウエア専業ブランドだ。熟練の職人の手作業によって生み出されるエレガントで上品なデザイン性と、使い心地抜群の機能性を兼備したアイウエアは、目の肥えたファッショニスタはもちろん、アイウエアを愛する多くの人たちを虜にしている。
今回はインタビュー取材を通じ、AHLEMについての思いを中心に、彼女のこれまでのキャリアや物作りへの思い、自身が描いている今後のビジョンに至るまで、幅広く語ってもらった。
PROFILE|プロフィール
アーレム・マナイ・プラット(Ahlem Manai Platt)
AHLEMデザイナー
LAとパリを拠点に活動するフランス人デザイナー。「Acne Studios」や「MIU MIU」などでマーチャンダイズを経験後、アイウエアの世界へ。2014年に「AHLEM」を立ち上げる。アートを日々の生活の中に溶け込ませることを意図し、流行に左右されない、シンプルで快適なデザインを目指している。職人の手作業による丁寧な作りも魅力のひとつ。
ブランドを手がけるに至った経緯をお教えください。
まず、子どもの頃の話をしなければなりません。私は幼少期にパリ7区で育ちました。オルセー美術館やエッフェル塔、アンヴァリッドなど、すばらしい歴史的建築物に囲まれて過ごしていたこともあり、美的感覚が自然と養われました。