みなさんは、自宅でどんなルームウエアを着用しているだろうか?
パリの人々のお気に入りルームウエアのひとつには、ブレー姉妹が手がける「
BRAI(ブレー)」が挙げられる。パリ発の、日本未上陸ブランドだ。
2017年にパリで創設されて以来、カラフルポップなデザインとサステナブルな生産背景、伝統工芸を取り入れたそのコンセプトが高い支持を得て成長を遂げている。
パリジェンヌの姉妹は、姉のローレンがビジネス面を管理し、創設者である妹エステルがデザインなどのアートディレクションを担当。キッズ向けのルームウエアとしてブランドが始まり、現在はベビーから大人向けまで、家族全員で着られるパジャマやガウン、ルームシューズからポーチに至るまで、自宅内を明るく照らす色彩豊かなアイテムを展開している。
ブルーのタイガーやブランケットを纏った馬、ラクダやカニといったオリジナルの動物モチーフはすべて、インドの伝統工芸ブロックプリントで施されるハンドメイドだ。そのデザインとコンセプトは、ラグジュアリーファッションブランドでのキャリアと、アメリカで過ごしたエステルの経験を生かしたものだという。
パリの人々の自宅空間を快適で豊かにする「BRAI」の、遊び心たっぷりのデザインや環境に配慮した生産へのこだわりについて聞いてみた。
PROFILE|プロフィール
(左)エステル・ブレー
BRAI ファウンダー
「LANVIN」と「BALENCIAGA」でウィメンズ・デザイナー、「JUICY COUTURE」のシニアデザインディレクターとして4年間ロサンジェルスで過ごした後にパリに戻り、2017年に「BRAI」を創設。1年後、広告業界にいた姉のローレンが加わった。パリ育ちの生粋パリジェンヌであり、3児の母でもある。
田舎のファームハウスで家族と過ごす、心温まる空間
はじめに、 「BRAI」立ち上げに至った経緯について教えてください。
ロサンジェルスでの4年間を経てパリに戻ると、魅力的なルームウエアブランドが不足していることに気付きました。そこからシンプルで洗練され、自宅で快適に過ごせるライフスタイルを提供するルームウエアがあればいいなと考えたんです。コロナ禍において、ルームウエアブランドが急速に増えましたが、当初はフランスで発信されるものはほとんど存在しませんでした。これが、私のファッション業界での経験と、自身のライフスタイルを基に、ブランド「BRAI」を設立するきっかけとなりました。
最初は子ども向けのルームウエアブランドとして始まり、現在では幅広いサイズ展開で、ベビーから12歳までの子どもたち、そして大人向けにXSからXXLのサイズのものを提供しています。
「BRAI」のコンセプトについても教えてください。
「BRAI」がイメージするのは、田舎のファームハウスで家族と過ごす心温まる空間です。ブランドのDNAはパジャマにあり、快適さと美しさを兼ね備え、自宅での時間を心地よく過ごせるルームウエアです。ポップなカラーパレットを身に纏うだけで気分が上がりますし、キャンディの包みを彷彿とさせる縁取りのディテールにも遊び心を加えています。
パジャマの上からコートを羽織れば外にも着ていけるような、デザイン性の高さもポイントです。着物風のガウンも体を締め付けることのない快適なルームウエアですし、人気のバニティバッグは滞在先のホテルでも自宅のように過ごせるようにという想いを込めてデザインしました。
陽気で明るく、日常に彩りを添える華やかな世界観を、すべてのアイテムを通して伝えたいと思っています。
このようなポップなカラーパレットやモチーフといった、特徴的なデザインの着想源はどこからきていますか?
カラフルなデザインは、私が「JUICY COUTURE」で過ごしたロサンジェルスの雰囲気やアメリカのキャンディからインスピレーションを受けました。現在、私たちは年に2回の新作コレクションに加えて、カプセルコレクションも発表しています。以前「BALENCIAGA」でモチーフデザインに従事していたことから、その手法を今でもチームで活用し、多くのアイディアを集めて共有し、それらを組み合わせてデザインしています。
ヴィンテージの刺しゅう作品から動物モチーフのアイディアが浮かんだり、インテリアからカラーパレットのヒントを得たりすることもあります。ときには、私たちの子どもが動物モチーフのリクエストをしてくれることもあるんですよ。無茶なリクエストも多々あるんですが(笑)。子どものような自由な発想とクリエイティビティでデザインを考案しています。