2020年、世界が静止したとき、ロシア・サンクトペテルブルクの一角で一足の靴が生まれた。“外でも履けるスリッパ”という逆説的な問いから始まったプロジェクトは、やがて「
ホーミーズ(HOMIES)」という名のフットウエアブランドへと進化を遂げた。
パンデミックによって生活が一変するなか、“家で感じる自由なエネルギー”を外の世界へ繋げたいという想いから生まれたホーミーズ。そのシンプルでありながら計算されたフォルムと素材選びは、世界中に静かな共感を呼んでいる。
今回、創設者ヴィタリー・ポリャコフ(Vitalii Polyakov)に、ブランド哲学と創作の背景について話を聞いた。
PROFILE|プロフィール

ヴィタリー・ポリャコフ(Vitalii Polyakov)
“内側”から湧き出る靴づくり
「ホーミーズ」は、2020年、パンデミック下のサンクトペテルブルクで誕生した。それはファッション業界へ台頭するためではなく、「内側から自然に湧き出たプロジェクト」だと創設者のヴィタリー・ポリャコフは語る。彼はファッションデザインを学んだ後、アントワープの伝説的なアートアカデミーで、フォルムとプロポーションに対する鋭い審美眼を磨いた。そこで出会ったミニマリズムの力、そして機能と美の融合が、やがて彼を「存在することを支えるため」の靴づくりへと導いたのだ。