スポーツウエア由来のダウンアウターを、機能性を保ちながら鮮やかな色使いと構築的なシルエットで表現し、トレンドの最先端となったのだ。
設立者兼CEOのディマ・イエヴェンコは、戦争下の困難な状況にもかかわらず、8年間一貫してウクライナでの製造を守り続けている。その背景には、軽量ダウン素材の開発力、現地の優れた職人技術、そしてコミュニティの強い結束力がある。
今回は、ブランドの歩み、機能性とファッション性を融合したデザインとテクノロジーについてディマに話を聞き、アウターウエア界の革命児「イエンキ イエンキ」の真髄に迫る。
PROFILE|プロフィール
ディマ・イエヴェンコ(Dima Ievenko)
「イエンキ イエンキ」設立者兼CEO
ウクライナ出身。工科デザイン大学を卒業し、高級品小売業で10年間の経験を積んだ後、2016年にラグジュアリーアウターブランド「イエンキ イエンキ」を設立。革新的なデザイン、鮮やかな色彩、高品質の職人技で世界的に広く認知され、スポーティなイメージのダウンアウターをファッションピースとして再定義する。
アウターウエアは“衣服の真髄”
はじめに、ブランド設立に至った経緯について教えてください。
私のキャリアは常にファッションと共にありました。小売店舗の開設、ブランドの調達・購入、ウクライナ市場でのプロモーションなど、幅広い経験を積んでいます。洋服を愛し、パターンからケア方法まで、すべての要素に魅了されてきましたが、特にアウターウエアには強い情熱を抱いています。