ヤギから紡ぎ出される至高のカシミア。その温もりが恋しい季節が、また巡ってきた。
パリのショーウィンドウに並ぶニットやアウターの中で、"一度纏えば、もう他には戻れない"と称賛を集めているのが、シャーロット・リネア・ビョークルンが手掛ける「
Linnea Lund(リネア ルンド)」である。
サステナブルな生産体制を基盤に、環境と着用者に優しいタイムレスなカシミアウエアの製作を目指すシャーロット。スウェーデンのルーツとパリ育ちの背景を生かし、スカンジナビアの親しみやすさとフランスのエフォートレスな美意識を融合させたブランド作りを展開している。
日本でのポップアップ開催を目標に掲げる彼女に、自身のアイデンティティを反映させたブランドの世界観からカシミア業界での挑戦まで、詳しく聞いた。
PROFILE|プロフィール
シャーロット・リネア・ビョークルン(Charlotte Linnea Björklund)
「Linnea Lund」設立者
スウェーデン人の両親のもと、パリで生まれ育つ。ファッション界でトレンド予測の先見性で有名な名門エージェンシー、トレンド・ユニオンでキャリアをスタート。独立後は、コンサルタントと して「セリーヌ」やイタリアの糸メーカーとともに仕事を行い、イタリアの職人技に魅了され、自身のカシミアブランドを2020年に設立
カシミアの真髄を極める「Linnea Lund」の哲学
はじめに、「Linnea Lund」を立ち上げたきっかけについて教えてください。
私は昔からカシミアの大ファンでしたが、起源、組成、信頼性が追跡できる高品質の衣服が不足していることにしばしば不満を感じていました。そこで、自分で作ろうと決めたのです。このプロジェクトには、イタリアの職人技、フランスのエレガンス、そしてスカンジナビアの精神を注ぎ込み、妥協のない品質と追跡可能性を備えた良質なカシミアを、適正価格で提供したいという強い思いがありました。