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2020.07.30

女子高生による女子高生のためのレンタルサービス、Z世代「Nadie」の挑戦(後編)

現役女子中高生による、女子中高生のための会社──昨今のファッションビジネスにおいてZ世代の動向が注目されているが、そのZ世代が創業したのが株式会社Nadieだ。
Nadieは高校2年生3人が2019年9月に創業したZ世代企業で、今年2月に女子中高生向けファッションレンタルサービス「放課後マネキン」をローンチ。原宿でのポップアップ開催を経て、8月からはオンラインでサービスを開始する。
同世代向けのサービスを展開するNadieとはどんな企業なのか。Nadie代表取締役の古城栞さん、取締役の白井花さんのお2人にインタビューを実施、起業とサービス考案の経緯を伺った前編に続き、女子中高生のSNS事情やブランディングとマネタイズのバランス、これからのNadieの展望について聞いていく。Nadieのビジネスからは、現役女子高生ならではの感性を生かしたSNSの活用法と、Z世代向けサービスのありかたが見えてきた。

女子高生のトレンド発信メディアとしてのSNS運用

NadieのInstagramはトレンド情報の発信が多く、サービス自体の紹介が少ないのが印象的です。
白井理想としては、Nadieのアカウントを女子高生のトレンド発信メディアのようにしていきたいと考えています。私たち自身がいま気になっていることや、いま女子中高生のあいだで流行っているものを発信していく場にして、フォロワーを増やしていきたいなと。
ポップアップ終了後は現在の方針で投稿を続けており、1か月ほど前から1日100人増のペースで推移しています。このアカウントきっかけにNadieに興味を持ってもらい、そこから「放課後マネキン」のユーザーになってもらえたら嬉しいですね。
古城いわゆるまとめメディアのようなものはたくさんあると思いますが、投稿する内容が被ってしまうと面白くないじゃないですか。サービスへの入り口という側面はもちろんですが、私たち自身がInstagramの投稿自体を純粋に楽しんでいます。まずは私たち自身がいいなと思えるものを第一に考えて、これから流行しそうなものメンバーで見極めながら情報を発信しています。
Instagramの投稿内容で気にしていることはありますか?
白井色味が暗いもの、ダークなビジュアルなものは載せないようにしています。会社としても明るくて楽しそうな印象を持ってもらいたいので、色味の薄いものや白っぽいものをあげるようにしています。

トレンドはSNSから始まりSNSで終わる

どういった投稿が人気なのですか?
白井ベージュや薄いグレーなどの単色くすみ色で全身を統一した“消えそうな色コーデ”が流行っていますね。あまりはっきりした色味のものよりも、ぼんやりしたスモーキーカラーのアイテム、コーディネートが人気です。
ほかにも最近は、“スモーキーカラー文具”というあわい色味の文房具の投稿が人気でした。これも見た目が可愛らしく、欲しくなるようなものなので拡散されています。Instagramでバズる投稿はビジュアルが可愛いものばかりなので、デザインや色は重要な要素だと思います。
くすみ色のお話を聞いて、インスタメディアの「RiLi」さんを思い出しました。皆さんが発信している情報は誰がキャッチアップしてるのですか?
白井私たちのほかにボランティアメンバーが6人いるのですが、その中にInstagramの流行に敏感なメンバーがいるので、その子に教えてもらいながら自分たちの好みを取り入れつつ投稿しています。基本的にメンバー内3人で投稿担当を回していて、今後SNS担当を増やしていく予定です。
情報はどこから集めるのですか?
古城情報収拾の手段は完全にSNSだと思います。トレンドもSNSから始まってSNSの中で終わるものばかりだと感じますね。テレビを見ていても、少し前にSNSで流行ったものが取り上げられているのでギャップを感じます。
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#Social Commerce
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