

「ミタスニーカーズ」のディレクターである国井栄之さんが、毎週、独自の視点で気になるスニーカーをピックアップして率直な主観で語る動画「国井栄之のKICKS OF THE WEEK」との連動企画。
第18回は、「PRO-Keds(プロケッズ)」のアイコンモデル「ROYAL PLUS SUEDE(ロイヤルプラス スエード)」をベースに、ドメスティックブランド「CLUCT(クラクト)」と「ミタスニーカーズ」がチームアップしたコラボモデルを紹介。今回はなぜこのモデルを選んだのか、その理由や魅力について国井さん本人に聞いた。
“ラストコロンビア”を日本製で復刻させる
1970年代のアイビースタイルにおいて、西の「CONVERSE(コンバース)」、東の「PRO-Keds」と呼ばれる二大巨頭の一角である同ブランドで、40代の男性にとってはかなり懐かしさを感じるであろう「PRO-Keds」だが、まずブランドの歴史についても国井さんはこう言及してくれた。
「1947年生まれの『PRO-Keds』は、90年代に日本で一世を風靡しました。潮流となった理由は藤原ヒロシ氏が雑誌で取り上げた影響からです。当時、アメリカ・コロンビアを中心に生産されていた同ブランドの工場移転に伴い、コロンビア製のモデルは希少価値の高い存在になりました。

そんなコロンビア製の『PRO-Keds』を、藤原ヒロシ氏が雑誌の連載で“ラストコロンビア”と称し『ROYAL PLUS』を紹介したことで、国内在庫は瞬く間に完売し、一気にプレミアムなブランドへと押し上げました。

そんな『PRO-Keds』でしたが2020年に転機が訪れ、その“ラストコロンビア”をもとに日本製で復刻させようというプロジェクトが持ち上がったのです。
そのプロジェクトに携わっていたのが、僕が尊敬してやまないスニーカー業界の先輩方でした。
当時のシルエットや風合いを残しつつも、ヴィブラム社製のMEGAGRIPのオリジナルソールを搭載して現代的なアプローチも施した『ROYAL PLUS』は、スニーカー愛好家の間でも話題となり人気を呼びました」
日本製だからこそできる“こだわり”が詰まった「PRO-Keds」の「ROYAL PLUS」の復刻が、一大ニュースになったことは筆者も鮮明に覚えている。
気心知れた3者のチームアップモデル
今回は、ドメスティックブランド「CLUCT」と「ミタスニーカーズ」のトリプルコラボとなっているが、コラボに至った経緯を聞くと国井さんはこう続ける。「そんなこんなで再び日の目を浴びた『ROYAL PLUS』ですが、昨年、『WHIZLIMITED(ウィズリミテッド)』と『ミタスニーカーズ』でトリプルコラボモデルをリリースしました。
『ROYAL PLUS』が思い入れのあるモデルであるのは間違いありません。だからこそ今年もコラボモデルを作りたかったので、旧知の仲でもあるデザイナーの植野隆充氏が牽引するブランド『CLUCT』と、3者のコラボモデルをチームアップすることになったのです。

実は『CLUCT』とコラボするのは今回が初めてではなく『Reebok』などでもコラボしたことがあるのでお互いに気心が知れている仲です。
『CLUCT』の真骨頂でもある王道のアメカジテイストに合うものを作りたかったし、『CLUCT』側からもクラシックなモデルがいいというリクエストがあったので、ブランドのアイコンとなる『ROYAL PLUS』を選び、今回の形になりました」
ワントーンながら立体的なコントラストで魅せる
今回のチームアップモデルは、シンプルな「ROYAL PLUS」の中にもこだわりを詰め込んでいる。デザインの特徴についても国井さんはこう答えてくれた。「アッパーを黒のワントーンでまとめながらも、コントラストが出るようにスウェード素材をベースにオーストリッチの型押しを施したり、ヒールサイドにスワローの刺しゅうを入れたりと、細かい部分にこだわっています。


トレンドやスタイルに関係なく、いろいろな人に長く履いてもらえる一足に仕上がっていると思います」
その中でも特にお気に入りなのが、アッパー側面の2本ラインとソール側面に配したパワーストライプを黒にしたところだと国井さんは続ける。
「通常のパワーストライプはレッドとブルーのトリコロールが基本です。コラボモデルでもベースのカラーにフックしたツートンカラーにすることが多いのですが、今回は思い切って全て黒にしたのが新鮮でした。

まわりの友人などからも、『潔いね』とかなり好評です」
通常の「ROYAL PLUS SUEDE」らしからぬ、シックな色合いとこだわりのディテールは、定番モデルの新たな一面を見せてくれた。汎用性の高い色使いとデザインだけに、競争率も高めとなっている。気になる人はぜひお店に足を運んでみてほしい。
PROFILE
国井 栄之(くにい しげゆき)
mita sneakers ディレクター
東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルを手掛け、その手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers
東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店TEL:03-3832-8346 営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30
Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)
Original Movie













