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SNSでも話題! 『リトルボブドッグ』と『家庭科のドラゴン』、2大キャラクターから紐解く裁縫箱の変化

2024.12.13
平成からの裁縫箱の変化はSNSで度々話題になるが、その中でも「リトルボブドッグ」と「家庭科のドラゴン」は、特に30代〜40代の世代にとっては親しみがあるキャラクターだろう。
しかし、なぜこの2つのキャラクターが家庭科の教材として選ばれ、長年愛されてきたのだろうか。現代では裁縫箱の進化がジェネレーションギャップを語る題材となっているが、その歴史的背景はあまり知られていない。
平成時代の裁縫箱がたどってきた歴史と変遷について、株式会社サンワードの川中さんに話を聞いた。

PROFILE

川中 靖博(かわなか やすひろ)

株式会社サンワード
営業担当

今まで無難だった裁縫箱が輝き出した2000年代

どのような経緯で各キャラクターが裁縫箱に採用されるようになったのか、川中さんはこう語る。
「それまでサンワードでは、リトルボブドッグやファンシーなキャラクターを輩出しており、もともと家庭科の学習教材メーカーさんともお取引があったので、最初はリトルボブドッグが裁縫箱に採用されました。
リトルボブドッグの裁縫箱
そこからさらにメーカーさん側からオーダーをいただいて、誕生したのが家庭科のドラゴンです」
こうして、2001年に「家庭科のドラゴン」は誕生した。
それまで、無難な裁縫箱しかなかったところに、突如現れたドラゴンは瞬く間に男子の間でヒットする。選択肢がないからなんとなく選ぶというのではなく、彼らの「欲しい」という気持ちに「家庭科のドラゴン」は火をつけた。
筆者が小学生の頃、ファンシー系キャラクターの裁縫箱はあったが、男子のニーズに応えたデザインは確かに少なかったように思う。
それは男子が裁縫箱のデザインにこだわりがなかったわけではなく、単に選択肢が少なかったというのが正しい見方だといえる。
家庭科のドラゴンの登場に平成男子が熱狂したことこそが、その事実を物語っているだろう。
まさに家庭科のドラゴンは、学校教材の開拓者といっても過言ではない存在なのだ。
ドラゴンの裁縫箱

意外と知られていない!? リトルボブドッグと家庭科のドラゴンの公式のストーリー

リトルボブドッグは1988年の3月にアメリカのジョージア州で誕生した設定だ。黒いラインで快活に描かれた犬のキャラクターは、元気でポップな印象がある。
80年代のファンシーキャラクターが人気の時代、リトルボブドッグの存在は一際目立っていたが、どのような経緯で生まれたのだろうか。
「当時は、女子向けにパステルカラーを用いたファンシーなキャラクターが多い時代でした。
時代や風潮とは逆に、リトルボブドッグのデザイナーは、黒だけの単色使いの力強いラインで表現されたキャラクターを作りたいと思ってリトルボブドッグが誕生しました。
その頃は、アメリカのカジュアルなファッションも流行り始めていたので、元気で勢いのあるキャラクターデザインが必要なのではないかと考えていたようです」
顔は知っているけれど、名前は知らない…サンワードもネタにしているリトルボブドッグだが、意外にも、私たちはさまざまなところでリトルボブドッグと出会っている。
「リトルボブドッグで一番有名だと思うのはオリオン株式会社が出しているお菓子のシガレットが記憶にあるのではないでしょうか。
今でも販売されていますし、街で見ることもあるのではないかと思います。皆さん、リトルボブドッグは、家庭科教材のイメージが強いと思いますが、計算ドリルなど結構いろいろなところで活躍しています。
昔は銀行の通帳にもよく使われていたり、日立さんのCMにキャラクターとして採用されたり、意外といろいろなところで活躍していました」
そして、家庭科のドラゴンに関しては、驚くべき壮大なストーリー設定があった。
ブラックドラゴンの『ルールレジェ』というロゴは、フランス語で『重い・軽い』という重力の意味を持つ。
「家庭科のドラゴン」は、天空の帝国を守護し、重力を司る神獣のドラゴンという設定だ。その設定を込めて、「重いと軽い」の意味を持つ、『ルールレジェ』のロゴを付けているという。
ドラゴンの裁縫バック
そして、ロゴの下にある英文にも「家庭科のドラゴン」の設定を裏付ける意味が込められていた。

時には知的に、時には遊び心いっぱいに繰り広げられるストーリー
あたかも魔法のように全ては起こる

「このブラックドラゴンには世界観がありまして、火と地、天空と水の4つの帝国が存在していて、そこに最強の精霊たちが互いに攻め合いながら君臨して戦っている設定です」
まるで、一冊の本になりそうな壮大なストーリーが、家庭科の裁縫箱に描かれているのだから驚きを隠せない。
「実は家庭科のドラゴンはシリーズものになっておりまして、他には『ソウルオブサラマンダー』というものもあります。このシリーズは、ブラックドラゴンとサラマンダーが戦っている絵柄の裁縫箱で、世代によっては見たことあるという方も多いですね。
その当時は、男子を中心に凄く人気があって、その人たちが大人になって、またかっこいいと言ってくれています」
ソウルオブサラマンダーの裁縫箱
現在では、当時の家庭科のドラゴンの裁縫箱は販売されていないが、別のドラゴンの絵柄で生き続けているという。
最近では、エプロンやナップザックのシリーズも生まれて、学校教材でも現役だ。
企画段階で採用に至らなかったものも含めると、これまでに50種類以上のドラゴンが生み出されてきた。

令和でさらに活躍するサンワードのキャラクターたち

平成と令和の裁縫箱の違いが去年からSNSで話題となり、その中でも家庭科のドラゴンとリトルボブドッグは特に注目を集めている。令和に入り、かつての裁縫箱の形は取り扱いが終了となったものの、これらのキャラクターはまた新たな展開を見せている。
最近では、サンワードからオリジナルグッズが発売され、さらには意外な分野でも活躍を始めた。
「家庭科のドラゴンは今年、コミックマーケットに出展し、グッズ展開を含めて精力的に活動してきました。今年は神戸のプロレス団体・ドラゴンゲートで3次元化していただき、『ドラゴンマスクマン』として新たな一面を見せています。
エディオンアリーナ大阪と後楽園での2試合に参戦し、どちらも勝利を収めるという強さを見せました」
そして、もうひとつの人気キャラクター、リトルボブドッグも新たな展開を見せている。今年はコンペ形式でアパレル展開が決定し、これからの活躍に期待が募る。
「アパレルブランドover print(オーバープリント)製で、3名の有名イラストレーターが描いたリトルボブドッグと、コンテストで選ばれた作品を用いたパーカーがサンワードから4パターンで販売される予定です」
意外にも、リトルボブドッグは中国での活動も目覚ましい。日本では顔は知っていても名前は知らない人が多い一方で、中国では誰もが名前を知る有名キャラクターとなっている。
「中国のNHKにあたる『中国中央電視台』で、3Dアニメーションの教育番組として放送されました。現地での取扱店舗も50店舗以上あり、コラボカフェも展開しています。
最初はおむつのパッケージに採用されたのがきっかけでした。それに併せてキッズ用品も展開したところ、たちまち人気となり、子どもたちの定番キャラクターになりました。
これまで中国市場に注力してきましたが、去年くらいからは日本でも力を入れています。リトルボブドッグを、中国のように皆に愛されるキャラクターにしていきたいですね」
学校教材の枠を超えて、新たな広がりを見せるサンワードのキャラクターたち。現在もさまざまなコラボレーションを控えており、今後の展開に期待が高まる。
「当時の家庭科のドラゴンの裁縫箱を求めるお声が多いので、ぜひ復活させたいですね。現在、メーカーさんからは当時の裁縫箱は販売されていないため、弊社独自で復刻版の販売を検討しています。他のサンワードのキャラクターも含めて、より多くの方に楽しんでいただけるよう、今後も積極的に活動していきたいです」
平成の思い出とともに歩んできた彼らが、令和という新しい時代で見せる活躍から、目が離せない。

Text by Tajimax

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