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2023.07.26

ファッションにIPとテクノロジーを掛け合わせたオンデマンド生産システム「KONNEKTED(コネクテッド)」を開発:KONNEKT INTERNATIONAL

「IP(知的財産)×ファッション」でインフルエンサーのDtoCブランド事業を展開し、さらに「テクノロジー×ファッション」で、オンデマンド製造サービスを手がけている株式会社KONNEKT INTERNATIONAL。同社は、ファッションにIPとテクノロジーを掛け合わせることで、新たな事業を生み出している。
「テクノロジー×ファッション」において、同社はアパレルブランドやグッズのECサイトにオンデマンド生産システムを連携させ、収益の最大化を実現するソリューションとして「KONNEKTED(コネクテッド)」を展開しており、これまで課題であった売り逃しや在庫リスク、生産や配送のオペレーション問題などの解決に貢献できるとしている。
そこで今回、同社の代表である由羽弘明さんに、「KONNEKTED」を開発した経緯や、ファッションにIPやテクノロジーを掛け合わせて実現したいこと、今後の展開などについて伺った。

オンデマンド生産システム「KONNEKTED」とは

同社は2013年に創業すると、フランスのアイウエアブランド「nunettes(ヌネット)」の総販売代理店として事業を展開。同ブランドはサングラスにIPを掛け合わせた独特なデザインが実現可能であることから、Jリーグのチームから『ONE PIECE』に至るまで、さまざまなIPとコラボすることで、これまでにないファッションアイテムを生み出した。
こうしたライセンス事業も継続して展開しているが、近年は新田真剣佑や宇野実彩子(AAA)らのブランドを立ち上げるなど、IPにおいてはDtoCのブランド事業が同社の柱の一つとなっている。
そして、もう一つの柱となっているのが、テクノロジーを活用したリアルなファッションアイテムのカスタマイズやオンデマンド生産システムだ。
「私たちは、ものづくりをしている会社なので、Web3やNFTなどのデジタル上だけというよりは、デジタルとリアルなフィジカルの部分とが合わさった領域に取り組んでいます。
海外のIPなどと仕事をするなかで、ECにおいてオンデマンドサービスがすでに導入されていることを知り、これからは日本でもオンデマンドの時代になると思い、サービスに取り組もうと考えました」
同時期に、大手プリンターメーカーが衣類やその他のファッションアイテムなど、さまざまな素材にフルカラー印刷ができるガーメントプリンターの機能を大幅に改善するなど、技術革新も起きた。これにより、ECで販売するグッズのオンデマンド生産がより現実的なものとなったという。
そこで同社は、ECの課題解決の助けとなる「KONNEKTED」を開発。具体的には、顧客が選択・作成したデザインの商品を売主(ECサイト)が受注すると、KONNEKT INTERNATIONALが自社工場などでプリントなどの製造を行い、売主に商品を発送する。売主はその商品を顧客に納品する、という仕組みだ。
ECサイト側はAPI連携で簡単にシステムを導入することができるとともに、オンデマンド生産により余剰在庫などの在庫リスク問題を解決できる。また、商品の企画からデザイン、商品登録、資材調達、生産、梱包、出荷などの作業もテクノロジーで解決できるため、効率的なオペレーションにつながっている。

「KONNEKTED」を活用することで生まれる新たな価値

そしてこの取り組みは、商品開発において新たな地平を切り開こうとしている。たとえば、キャラクターIPにおいて、これまで商品開発をする際は、在庫リスクの問題から、一定数の人気があるキャラクターの商品しか展開できなかった。
しかし、「KONNEKTED」を活用すると、すべてのキャラクターの商品化が実現できる。過去の事例では、約200体から好きなキャラクターを選べるとともに、デザインフレームやカラーなどのカスタマイズを可能にしたTシャツを販売したところ、通常の4倍以上の売り上げにつながったという。
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