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2024.04.10

パリで話題沸騰! 仏日女性デュオ「Brigitte Tanaka」による遊び心満載のショッピングバッグ

歴史を重んじるフランスと革新的なアイディアを探究する日本。そんな両国の美学であるアンティークとコンテンポラリーの融合をテーマに、パリ発「Brigitte Tanaka(ブリジット タナカ)」はアクセサリーや小物を中心に、個性豊かなアイテムを展開する。
フランス人のブリジット・ジラウディ(Brigitte Giraudi)と、日本人の田中千恵子のデュオが、2017年にブランド設立とともにパリ1区に小さなブティック「Brigitte Tanaka」をオープン。2人が旅しながら世界中のマーケットで発掘した、古き良きアンティーク品に手を加えて新しい命を与えられたオリジナルの商品が並ぶ。
小物からスタートして徐々に人気を集め、オーガンジーに遊び心溢れる刺繍を施したショッピングバッグがシグネチャーとなり、現在は多くのファッションブランドとのコラボ商品も手掛けている。
歴史的建築物に指定されているブティックは、まるで宝物を詰め込んだ宝石箱。2人の出会いから「Brigitte Tanaka」の誕生、オリジナル商品に込める想いと物語まで、“可愛い”に溢れたブティック内で田中さんに話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
田中 千恵子(たなか ちえこ)
田中 千恵子(たなか ちえこ)

Brigitte Tanaka ディレクター
パリでフランコ日本公演の創設者兼アーティスティック

アンティーク品に第二の人生を与えるために

まず、田中さんがパリに渡った経緯について教えてください。
私は日本で生まれ育ち、大学では芸術を学び、渡仏前は「Theater Products(シアター ブロダクツ)」という日本のファッションブランドで、小物アイテムのデザインをしていました。
幼い頃から将来は海外に住むのだろうと、ぼんやり思っていて、2008年にワーキングホリデーでパリ生活をスタートさせたのです。
ビジネスパートナーのブリジットさんとの出会いは?
彼女が手掛けていたジュエリーブランド「Miss Bibi(ミス ビビ)」で、私が働き始めたのが出会いです。旅すること、アンティークマーケット巡り、古くて面白いものが好きという共通点が多い私達は、すぐに共鳴したように思います。
「2人でもっと楽しいことをしたいね」と話すようになり、一緒にブルガリアやギリシャを訪れて、各国のアンティークマーケットで集めた品物に第二の人生を与えるように、現代版にリバイバルさせたのが「Brigitte Tanaka」の始まりです。
このブランド名は、私達の名前を組み合わせて、一人の女性の名前かのように名付けました。そしてブティックは、その女性の自宅をイメージして内装を仕上げたのです。
「Brigitte Tanaka」の世界観を体感できるブティックは、可愛らしくて親密感のある素敵な空間です。
サン・ロック教会に隣接するこの空間は、もともとは教会に属するお店だったようです。創設から何世紀という時を経て、異なるオーナーがそれぞれにアレンジを加えながら、歴史的建築物を現在まで継承してきました。
私達のひとつ前のオーナーが作った石の階段を生かしつつ、教会にインスパイアされたステンドグラスやフロアの一部の床材をガラスに置き換え、「Brigitte Tanaka」らしい空間にデザインしました。
ブティックのデザイン含め、「Brigitte Tanaka」の作品は2人でどのように制作しているのでしょうか?
2人でアイディアを出し合って生まれた作品もあれば、担当を分けて個々でデザインに向き合うこともあります。私達の感性は似ていて、ともに直感型でデザインを決めることが多いですね。
実は私が日本でデザイナーをしていた頃は、その逆でした。熟考して、緻密に計算して、煮詰まってからデザインが完成することが多かったです。
しかし、フランスに来てから、ブリジットはもちろんのこと、仕事以外で関わる人々や日々の生活の中で、「もっとデザインは気軽でいい」と思うようになりました。
フランス人の細かいことは気にしない、ノンシャランな精神に影響を受けたのかもしれません。ものづくりを探究する姿勢自体は日本でもフランスでも変わりませんが、より自由で軽い感覚でデザインが生まれてくるようになって、そのユーモアと遊びが「Brigitte Tanaka」に反映されていると思います。
撮影/ELIE INOUE
撮影/ELIE INOUE
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