カレッジスポーツのリーディングカンパニーとして認知される「
Champion(チャンピオン)」。1980年代からはNBAなどのプロスポーツチームにもウエアを供給していた実績があり、1992年開催のバルセロナオリンピックでは男子バスケットボールアメリカ代表、通称“ドリームチーム”の公式ユニフォームサプライヤーにも選ばれた歴史を持つ。
そんなスポーツウエアメーカーとしての知識と経験とデザイン力をカジュアルファッションシーンに落とし込んだライン「Champion ACTION STYLE(チャンピオン アクション スタイル)」のアイテムを深掘りしていこう。
アメフト選手のために開発したナイロンメッシュジャージーがルーツ
Championとスポーツの関係はとても密接でその歴史も半世紀を超える。はじまりは1967年、炎天下のなか重厚な防具に身を包み、膨大な運動量を要するアメフト選手たちのニーズに応えるため、ナイロンメッシュジャージー製品を開発する。
軽くて耐久性に優れるうえ、熱疲労の影響も低減し、パフォーマンスの向上にも繋げる同製品は大成功を収め、すぐさまバスケットボールや陸上競技、ラクロスといった他のスポーツにも転用され、スポーツウエアの定番として定着していっ た。
これが、ACTION STYLEの起源と考えてもいいだろう。
バルセロナオリンピックではNBA「ドリームチーム」のユニフォームを提供
Championは1980年初頭から20年以上にわたって世界最高峰のNBAと提携し、1990年に当時の全27チームの公式アウトフィッターになる。そして1992年のバルセロナオリンピックにおいては、マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、そしてチャールズ・バークレーなど、オリンピック史上初めてNBAの現役スター選手たちを招集した、史上最強とも称されるアメリカの男子バスケットボールチーム「ドリームチーム」のユニフォームも提供する。さらに1996年のアトランタオリンピック時には、同じく初めてプロ選手たちで構成した女子のドリームチームでも、Championのユニフォームが着用された。
これら出来事は、当時スポーツ界はもちろんファッション界においても、語り継がれるほどのインパクトを残した出来事となった。
ACTION STYLEの代表的なアイテム「Super Fleece(スーパー フリース)」
1990年代に入るとスポーツとファッションの垣根がなくなり、エクストリームスポーツやHIP HOPをはじめとする音楽など、さまざまな要素をミックスさせてストリートファッションが形作られていく。その頃Championは、「Super Fleece(スーパー フリース)」という素材のアイテムをリリースする。このSuper Fleeceのパーカー、通称「Super Hood(スーパー フード)」と呼ばれる「HOODED SWEATSHIRT(フーデッド スウェットシャツ)」は、Nas(ナズ)や50cent(フィフティーセント)といった、グラミー賞受賞経験のあるヒップホップ・スターたちが愛用し、2000年代初頭には、彼らの地元ニューヨークでそれを真似する若者が続出し、大ブームを巻き起こした。
Super Fleeceは環境に配慮して生産されたサステナブルなアメリカ綿とリサイクルポリエステルを使用していて、表面を高密度に編み立てることで適度なハリとコシを備えたスウェット素材になっている。型くずれしにくく、着こむほどに肌に馴染み、裏面は柔らかく暖かみのある裏起毛仕様が特徴だ。
この素材を使ったHOODED SWEATSHIRTは、大きくゆとりを持たせた身幅、肩幅、袖幅に対し、着丈をやや短めにして着用時のシルエットのバランスをとった、ACTION STYLE独自のサイジングのルーズフィットになっている。さらに「CONE HOODIE(コーン フーディー)」と呼ばれる大型で先が尖ったフード形状と、裾にはゲームジャージーなどに見られる「ジョックタグ」が付き、デザインにアクセントを添えている。