2013年にジュリアナ・レイラ・ラッジアーニによって設立され、ロサンゼルスとパリの2つの都市を拠点とするブランド「
GIU GIU(ジュウジュウ)」。年齢や性別を問わず、ユーモアで遊び心のある自由なデザインと品質にこだわったニットウエアが人気だ。
今回は伊勢丹新宿本店にて開催されたポップアップのためにデザイナーのジュリアナが来日したことで、急遽インタビューを敢行。彼女がどのようにしてブランドを立ち上げ、どのようなこだわりを持っているのかを、ジュリアナ本人に直撃した。
糸から編み込んで布地にするニットが自分に合っている
ノスタルジックな雰囲気と、デザイナーであるジュリアナの豊かなバックグラウンドを表現したニットブランド「ジュウジュウ」。彼女はどのようにしてブランドを立ち上げたのだろうか。ジュリアナはこう語る。
今回のインタビューでゆっくりと言葉を選びながら語ってくれたジュリアナ。今回は伊勢丹新宿本店でのポップアップ開催で来日「2008年に『パーソンズ スクール オブ デザイン』で学ぶためニューヨークに移り、2010年にはロンドンの『セントラル セント マーチンズ』でニットウエアプログラムを学びました。
その後、『アレクキンダー・ワン』や『アンソロポロジー』などのファッションレーベルで仕事を経験し、『アンソロポロジー』のディレクターからヨーロッパへ行くチャンスをいただき、ニットのリサーチをしに行きました。その後、そのディレクターから自分のレーベルを始めたほうがいいと背中を押され、2013年に自分のブランドである『ジュウジュウ』を立ち上げたのです」
ブランド を立ち上げた最初の頃は小さなコレクションで、すべて手編みのニットウエアを展開していたが、その頃からユニセックスなスタイルは意識していた。
昨年12月に伊勢丹新宿本店で開催されたポップアップ。彼女のコレクションにおいて重要なリブニットアイテムが並ぶ当時はユニセックスやジェンダーレスのスタイルを提案すると、“なぜそんな提案をするのか”と質問されることも多かったそう。だが、現在ではそれが当たり前になっているので、彼女の先見の明は正しかったのだ。
なぜメインアイテムにニットウエアを選んだのかも伺ってみたところ、彼女はこう答えてくれた。
「私が意識しているのはファッション業界に対して“何かいいことをしたい”という部分です。それを表現する手段としてニットウエアがあります。ニットウエアを作るプロセスはすごくマインドフルでもあるし、他のプロダクトに比べてスローなプロセスを踏んでいるので、自分にも合っています。
シャツなどのプロダクトは布帛(織物)からできているので、生地屋から使いたい生地をピックアップしますが、ニットウエアは糸から選べるのでその糸にもこだわっています。私は糸から編み込んで布地にしていくプロセスを大切にしているのです」