現代ならでは金箔の価値とは何か? 金箔製造や加工を手がける箔座3代目社長の挑戦
2025.04.14
現代ならでは金箔の価値とは何か? 金箔製造や加工を手がける箔座3代目社長の挑戦
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日本の金箔のほぼ100%を生産している石川県。湿度の高い気候や良質な水といった恵まれた自然があり、さらに加賀友禅や輪島塗などの他の伝統的工芸品も発達していたことから、石川県は金箔の一大生産地となった。そんな石川県で、現在、箔の新たな可能性を追及している企業がある。その名も箔座株式会社。約100年前にルーツを持つ同社の3代目・高岡美奈さんは「箔の可能性は本当に無限大なんです」と話す。
今回は同社の歴史や金箔の魅力、そしてこれからについて、高岡さんにお話を伺った。
PROFILE|プロフィール
高岡 美奈(たかおか みな)
高岡 美奈(たかおか みな)

箔座株式会社・高岡製箔株式会社 代表取締役社長

1993年3月 玉川大学文学部 卒業
1993年10月 渡米(ボストン)
1995年4月 株式会社ヘリオポリス 勤務(企画会社)
1997年 箔座株式会社 勤務
2017年4月 箔座株式会社・高岡製箔株式会社 代表取締役社長に就任

父が愛した箔を絶やしたくない。20歳で決意した承継の裏側

最初に箔座株式会社・高岡製箔株式会社について、そして代表となられた経緯について教えてください。
会社を継ぐと決めたのは、20歳のときでした。

もともと金箔を扱う事業は、祖父が始めたものです。そのため幼い頃から家に金箔があるのが当たり前で、それが特別なものだとは思っていませんでした。祖父が初代社長を務めたのちは、父が2代目を務めました。

私は3姉妹の次女として育てられました。子どもの頃は、姉である長女が家業を継ぎ、3代目となるものだとばかり考えていました。

しかし姉はあるとき「自分のやりたいことをやる」と決意し、家業を継がないと宣言したのです。それを聞いた瞬間私は、「私がやるしかない」と覚悟を決めました。

当時の私は、金箔に特別な感情があったわけではありません。しかし子どもの頃から、父が金箔や会社に対して深い愛情を注いでいる様子を見てきました。父にとって金箔と、それを事業として展開する会社は大事な存在でした。
だからこそ、その愛を知っている者として、私は会社を絶やしたくなかったんです。
伝統的な「縁付金箔」を約4万枚使用した黄金の茶室
伝統的な「縁付金箔」を約4万枚使用した黄金の茶室
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