160以上の工程が生む用の美:南部鉄器、職人技の本質に迫る
2025.08.15
160以上の工程が生む用の美:南部鉄器、職人技の本質に迫る
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ものづくりの現場を訪れると、いつもその音と熱気に圧倒されます。特に、1,000度を超える鉄を扱う南部鉄器の工房は、張り詰めた緊張感と職人の気迫に満ちていました。
一つの鉄瓶が生まれるまでに、一体どれほどの時間と手間がかけられているのでしょうか。
今回は、400年以上の歴史を持つ南部鉄器について、伝統的な手仕事と現代的な生産体制という2つの側面から、その奥深い製造工程に迫ります。

南部鉄器の製造現場にある「2つの潮流」

南部鉄器の製造現場には、大きく分けて2つの生産方法が存在します。

一つは、多くの工程を熟練の職人が手作業で行う、国の伝統的工芸品としての鉄瓶づくりです。もう一つは、一部の工程をライン化し、効率的に製品を生み出す「生型(なまがた)技法」と呼ばれる製造方法になります。

この2つの流れが併存している背景には、時代の変化への対応がありました。戦後、調理器具の素材がアルミやステンレスへと移行し、鉄製品の需要が落ち込むなかで、伝統的な鉄瓶だけに固執するのではなく、キッチンウエアや装飾品といった新しい製品開発に取り組む必要があったのです。

伝統を守りつつ、革新を続ける。この姿勢が、現代における南部鉄器の多様な製品ラインナップを支えています。

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