「堀口切子」が進化させ、次世代へと紡いでいく江戸切子
2024.12.23
「堀口切子」が進化させ、次世代へと紡いでいく江戸切子
リンクをコピーしました
江戸時代から続く、言わずと知れた日本の伝統工芸品である「江戸切子」。
切子とはカットグラスのことで、職人の手でガラスの表面に独特の文様を刻み込む。英国人によって、現代に続く伝統的なガラス工芸技法が伝わったのは明治時代のこと。和を感じる文様と西洋から伝わった技術が融合したカットと色鮮やかなガラスは、光を受けてきらきらときらめき、見る者を魅了する。
伝統工芸としてのイメージが強い江戸切子だが、現代のライフスタイルにもなじみやすい独自のデザインや、革新的な試みにも積極的に取り組んでいるのが「堀口切子」だ。今回は江戸切子職人であり、株式会社堀口切子 代表の三代秀石 堀口徹さんに、江戸切子職人を志した経緯や江戸切子を未来へ繋ぐための取り組みについて話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
三代秀石 堀口 徹(ほりぐち とおる)
三代秀石 堀口 徹(ほりぐち とおる)

1976年東京生まれ。 1999年、株式会社堀口硝子に入社。堀口硝子は、江戸切子の職人で「秀石」を名乗った祖父が創業。初代秀石の孫として生まれ、二代目秀石に師事。三代秀石の名を継ぎ、2008年に堀口切子を創業。
2012年「日本の伝統工芸士」に認定される。国内外で作品を発表し、江戸切子新作展最優秀賞やグッドデザイン賞をはじめ、数々の受賞歴を持つ。 

目的ではなく手段へと変わった江戸切子

堀口切子さんが制作している江戸切子にはどのようなアイテムがあるのでしょうか。
ぐい呑、ロックグラス、片口、切立盃、プレートなどを中心に、定番で製造しているものからピンポイントのお客様向けの商品まで数百種類あります。一般のお客様にお求めいただくほか、飲食店から「この料理にこういう器が欲しい」と相談を受けて、仕立て、素材、デザインを考えることもあります。

料理屋さんからの依頼で制作する場合、可能な限りそのお店に足を運び、店内の照明やテーブルの色、サービス、料理、ほかにどのような器を使っているのかを自分の目で確かめてから提案するように心がけています。
この記事をシェアする
リンクをコピーしました