HUNTERの「ラバーブーツ」は足元をおしゃれにするだけではなく、そこには英国のもの作りが感じられるエピソードが詰まっていた。
今回はそんなHUNTERのラバーブーツの歴史に迫り、長年世界で揺るぎない名品として愛される理由を探っていこう。
すべての人に適したブーツを HUNTERは1856年、ヘンリー・リー・ノリス氏によって英国、スコットランドに「ノース・ブリティッシュ・ラバー社」という社名で設立され、後に「ハンター・ブーツ社」として広く知られるようになっていく。ブーツは創業後すぐにもっとも人気のアイテムとなり、酪農場からフィールドブーツまで、すべての人に適したブーツを作るため、製品ラインナップを拡大し、実用性と独創性のある先進的なデザインのHUNTERブランドを創り上げていった。
ノース・ブリティッシュ・ラバー社時代の写真
機能とスタイルをシームレスに、ラバーブーツのルーツ ブランドの歴史を辿ったところで代名詞となるラバーブーツのルーツにも迫っておこう。そのもの作りは70年近い年月がた今もあまり変わることなく、当初から高い完成度のアイテムだったことが伺える。創業から100年後の1956年、はじめての「オリジナル・グリーン・ウェリントン・ブーツ」が誕生する。このブーツの仕様は現在のラバーブーツシリーズにも受け継がれているという。当初から変わらず、ヴァルカナイズド製法のラバーを使用し、28のパーツで構成されるブーツは、1足につき3日間かけて一つひとつ手作業で製作される。
森や草原などの自然豊かなシーンでも、雨や雪の日の日常の雨や雪の日でも、機能とスタイルをシ ームレスに融合させながらアウトドアでのパフォーマンスを発揮できるよう緻密にデザインされたものが、HUNTERのラバーブーツのルーツとなっている。
また第1次世界大戦、第2次世界大戦時には、タフなHUNTERのブーツは英国陸軍省からの受注もあり、たくさんのブーツを納めたという。防護用や作業用としても高く評価され、それが民間にも広く伝わるきっかけとなっていったという。
ブランドに残されている古い工場の写真
ロイヤルファミリーにも愛されたHUNTER 1981年、チャールズ国王が皇太子時代に、婚約中の元皇太子妃ダイアナ氏が、HUNTERのラバーブーツを愛用している写真が話題となった。これにより、名実ともに英国を代表するブランドとして、国民から愛されるようになっていったといわれている。その5年後の1986年には、いまは亡きエリザベス女王陛下によって、最高品質の証で英国王室御用達を意味する「Royal Warrant(ロイヤル・ワラント)」の称号が与えられ、その地位を不動のものにする。
定番中の定番アイテム「Original Tall Boots(オリジナル トール ブーツ)」 ここでブランドのアイデンティティともいえる定番中の定番アイテム「Original Tall Boots(オリジナル トール ブーツ)」を深掘りしていこう。先ほども話題に触れたウェリントン・ブーツと同じように28個のパーツで構成され、HUNTER特注のアルミニウムの型を用いてハンドクラフトで製作されている。
昔から変わらず天然ラバー素材を使用し、優れた保護力を発揮するため製品は加硫されている。防水性はもちろん、保温性も高く、ソールのグリップ力も高いため、雨の日ならず雪の日などの悪天候にも重宝するアイテムとなっている。
製品の機能性はもちろん、ポリエステルの裏地で着用者の快適性を追求し、さらに美しく仕上げるための研究は現在も続いている。
コーディネートの幅も広がる「Original Chelsea Boots(オリジナル チェルシー ブーツ)」 そしてHUNTERでもう1つおすすめしたいアイテムが「Original Chelsea Boots(オリジナル チェルシー ブーツ)」だ、伝統的なチェルシーブーツのアイコニックな特徴はそのままに、ファッション性だけでなく、防水性、保温性も高く、雨や雪の日のワードローブには欠かせないアイテムになっている。ハンドクラフトの製法や天然加硫ラバー素材は他のアイテムと同様で、それに加え、伸縮性のあるサイドガセットとナイロン製プルタブで着脱も簡単にデザイン設計されている。さらにはリサイ クルポリエステルの裏地を使い一日中快適に過ごせるのも特徴的だ。
ブーツといえばレザーが当たり前だった時代に、創業者のヘンリー氏がラバーブーツ製造に着手し、HUNTERの歴史がはじまった。
その伝統を受け継ぎ、フットウエア・コレクションからアウターウエア、バッグ、アクセサリーへとその領域を広げていった。2014年秋冬にはロンドンファッションウィークのランウェイショーでコレクションを発表し、大きな話題を集め、よりグローバルな展開へと発展しつつある。
雨の日だからこそ、HUNTERラバーブーツを取り入れたコーディネートで、ファッションを楽しみたい。