システムエンジニアから和紙の世界へ
御社の創業の経緯について教えてください。
私は神奈川県海老名市出身で、移住前は東京の通信系企業に勤めており、システムエンジニアや企画営業として13年ほど従事していました。
妻はここ五十崎の出身で、実家は代々造り酒屋を営んでいました。創業のきっかけは、商工会のメンバーであり、内子町の伝統的な手漉き和紙を盛り上げたいと考えていた義父から声をかけてもらったことです。
大洲和紙を盛り上げたいという気持ちは、商工会全体で考えていたことだったんですね。
はい。町全体として考えてはいたものの、職人の高齢化や和紙需要の減少という問題に直面していました。
そのなかで2006年に、商工会が中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」に採用されたんです。端的に言えば、日本の伝統的なものづくりの技術を生かした商品を作り、国内外に売り出していこうという事業ですね。
商工会はその事業の一環としてフランスで開催されていた「メゾン・エ・オブジェ・パリ」という国際的なインテリア・デザインの見本市を見に行きました。