1973年生まれ。
2003年、伝統工芸体験施設でインストラクターの仕事に就いて若狭めのう細工 伝統工芸士の田中染吉氏に師事。
2013年、宗助工房開業。
若狭めのう細工は、福井県小浜市の出身者が、大阪のめがね屋で奉公中に培った技術をもとに生まれた。当時のめがねは水晶のレンズを加工して作られており、水晶の加工や砂で研磨をする技術などが持ち帰られたそうだ。
その技術をもとに「めのう」と呼ばれる鉱物を使った玉造りからはじまり、徐々に彫刻品などへと発展を遂げる。1976年(昭和51年)には、国の伝統的工芸品として指定された。
かつては多くの職人が手がけていたが、今では上西さんだけだ。
「職人の高齢化が進み、私が弟子入りした頃にはすでに2名だけという状況でした。技術習得の難しさゆえに、一人前になるまでには長い年月を要します。そのため、後継者の育成は非常に困難でした。
私の師匠のもとにも『弟子になりたい』と訪ねてくる方はいましたが、残念ながら研修中の給与を支払うことができないなどの理由から、断らざるを得なかったようです」
そう話す上西さんだが、もともとは大阪で印刷会社に勤めていたという。若狭めのう細工に携わるようになったのは、Uターンがきっかけだった。